悠久フィロソフィー

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【Lotus Land Story】(レシピ保管) 1/2

下手な話をして多方面に笑顔で刺されまくることを恐れているうちに新年も3月になってしまいました。

ようやくの今年初更新です。あけましておめでとうございます。前の改訂に対応したと思ったらもう次の改訂が見えてくる時期です。
ところで去年は2回しかブログを更新してなかったようですがそこんとこどうなんでしょう


それはそうとしてデッキレシピの保存です。


※今回20180101改訂にて「禁止」に指定されているカードが構築の根幹に含まれています。
 本エントリはあくまでもレシピの保管・発想のメモ程度のものとしてご覧くださいますようお願いいたします。


【Lotus Land Story】



イメージ 2



※内容は17/12/31時点での最終構築となっています。
 サイド欄のカードはサイドボードというよりはその他候補の一部です。




○概要


「墓地に存在するフィールド魔法の種類」を参照してステータスを上昇させる《トラミッド・スフィンクス》を最終的な切り札として設定したデッキです。
このコンセプトから明らかな通り、デッキ内に大量のフィールド魔法を搭載し、それらをそれぞれ使用してゲームを進めていきます。
最終的には見ての通り『20種20枚』のフィールド魔法を詰め込むに至りました。60枚あるメインデッキの、1/3がフィールド魔法ということになります。

これに伴い(?)デッキ全体の構築も全てピン採用のハイランダー仕様に落ち着きました。
「場魔法20種積んだ60枚ハイランダーというキャッチコピーを自称しています。まあだから何だって顔をよくされるわけですが

参考動画……拙作ADS動画「秘封決闘倶楽部」にて使用




○詳細解説

(前半)
1.構築の発端
2.構築の経緯
(後半)
3.採用札・候補札詳細
4.今後




1.構築の発端


主な契機は2つあります。

1つは身内にそもそも【トラミッド】ユーザーがいたこと。
2016年の夏前ごろによく相手をしたデッキでした。ちょうど前の仕事辞めたあたりですね。当時は9期中~後期によく見られた、カテゴリ内カード層の薄い単発テーマ群、のひとつ、程度の認識をされていたかと思われます。そんな中で手近なところにこのデッキを使う相手がいたことはある種僥倖だったかもしれません。
トラミッドのコンセプトである「場魔法の切り替え・サイクル」自体の面白さもさることながら、中でもエースである《トラミッド・スフィンクス》の特徴に惹かれました。


トラミッド・スフィンクス
特殊召喚・効果モンスター
星10/地属性/岩石族/攻2500/守2500
このカードは通常召喚できず、「トラミッド」カードの効果でのみ特殊召喚できる。
(1):「トラミッド・スフィンクス」以外の自分フィールドの表側表示の「トラミッド」カードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):自分フィールドに他の「トラミッド」カードが存在する場合、このカードの攻撃力・守備力は自分の墓地のフィールド魔法カードの種類×500アップし、相手モンスターは「トラミッド・スフィンクス」にしか攻撃できない。


【トラミッド】というデッキにおいて、このモンスターは大型でありながら存外にフットワークが軽く、わかりやすく言えば下級トラミッドが2体並び・《トラミッド・クルーザー》が発動中である、というだけで相手ターン内にデッキから出現します(クルーザーがフォートレスなら墓地から)。すなわち1体目でクルーザーor(フォートレス)を破壊しスフィンクスを手札に加え、2体目で次のフィールドを破壊してトリガーとする、という流れ。
この手の大型モンスターにありがちな「出ればそれなりに強いが、出そうとするのはまず割に合わず、結局優秀な下級で固めたほうが強い」といった現象に囚われない、実際のエースとしての立ち回りができる点が個人的に好評価でした。

が、それ以上に打点の稼ぎ方に目が行ってしまいました。
「墓地のフィールド魔法の種類」という参照方法。普通に【トラミッド】を組んでいる場合、予想できる墓地状況は最大でもトラミッドフィールド3枚に《チキンレース》あたりが加わってせいぜい4種、2000ポイントのパンプが現実的な上限です。元の攻守2500に加えると4500となり、一般的にこれでも充分なアタッカーにはなります。
ただ、それだけで止まってしまうのは惜しいと感じました。せっかく独特な強化値の計算をするのだから、どうせならば全力でそれに乗っかってやりたい、という。
それこそ、相手のライフポイントを一撃でゼロにしてしまえるようなくらいに。

トラミッドを使っていた知人はゴーストリック使用者でもあったので、ゴーストリック要素も混ぜてもう3種フィールド追加してみたら、と提案したところ瞬時に却下を食らったので、やむなく自分で組む運びとなりました(実話)


このデッキを組むに至ったもう1つのきっかけは、上記と前後して対戦した『とあるデッキ』が原因となっています。
忘れもしない5月2日の池袋でした。そのデッキとは2戦し、1戦目はなんとかこちらが勝ったのですが、2戦目ではやりたいことを綺麗に決められて完敗してしまいました。その手法が、「相手を妨害し続けながら周到に時間をかけて準備を行い、機を見て瞬発的に火力を叩き出し、一撃で勝負を決める」というスタイル。これに露骨に感化されました。それまでのゲームで何気なく使用され見えていたカードが、いきなり全く違う意味合いに様変わりする。鏤められていた伏線を最後の一行で全て回収するような構成は、創作においてさえひとつ面白さの理想的な形と考えていたこともあり、これは自分でも目指していきたいと思った次第です。要は影響されました(自白)
ちなみにそのデッキですが「10800」という数字を出せばすぐ伝わることと思います。ていうかこんなブログ見てる人であの動画見てない人おらんやろ

さしあたり攻撃力目標値をライフ初期値でありワンキル下限の「8000」と設定。
墓地に場魔法が11枚あればスフィンクスの攻撃力は8000に到達します。
この「11枚」が、このデッキにおける場魔法採用枚数の下限となっています。




2.構築の経緯


というわけで『フィールド魔法をアホほど投入したデッキを組む』と漠然と方針を定めました。

最初に考えた構築の基礎は3つあります。


・フィールド魔法間でのシナジー構築
・アドバンテージ確保・延命手段
・《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》の最大限の利用



2-1.フィールド魔法間でのシナジー構築・アドバンテージ確保

ご存知の通り、フィールド魔法の特質として「場に1枚しか発動できない」というものがあります。このため当然ながら、場魔法+場魔法でコンボを行うということは不可能です。
何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが、同じアイコンのカードを大量に重ねようとする上でこの問題はなかなか切実です。1枚を使おうとするためには別の1枚を破棄しなければならない。考え無しにまとめていると何枚もの死に札が出てしまいます。もしくは、あっという間に消費しつくして行動不能に陥るのが関の山です。

この課題に対し、意識したのは「効果の方向性を整える」ことと「アドバンテージを獲得するフィールドを採用する」ことの2点。
前者は具体的に「ハンドカット」「セルフブレイク」「ライフ確保(次項)」など。また後者のアド確保自体もそのひとつといえます。後者に関しては主に9期産フィールドは概ねこれをクリアしていたので、あとはそこから引っ張ってくるカード間をいかに繋いでいくかの作業でした。

特に、最初に注目したのが「手札を切る」行為。
これは《トラミッド・クルーザー》に、トラミッド召喚時に1ドロー1捨ての効果があることへの評価が根拠となっています。効果で手札を捨てることで特定のカードを誘発させることができるトリガーになる。また、コストでも効果でも墓地に落ちることで発動する効果持ちも投入することでより噛み合いを強めることができる。
効果で手札を切るカードとして《暗黒界の門》《セフィラの神託》を採用。どちらも元々デッキを回し手札を増やすことのできるカードであり方針に添っています。またコストで手札を切るカードとして《竜の渓谷》《召魔装着》を採用。特に《竜の渓谷》は《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》を筆頭とした☆7ドラゴン族メインの戦形を選択するにあたって非常に重要でした。
手札から捨てて意味のあるモンスターには《暗黒界の狩人 ブラウ》《暗黒界の龍神 グラファ》《ジェムナイト・ラズリー》《ジェムナイト・オブシディア》《魔サイの戦士》《彼岸の悪鬼 スカラマリオン》《アークブレイブドラゴン》が該当します。すでにこの面々だけでも、魔サイ→スカラマリオン→ブラウ、「ジェムナイト」→《ブリリアント・フュージョン》→エンフェ、アークブレイブ→エンフェ、といったような関係が見えてきます(エンフェ前提の目線)。ちなみに構築初期は《ダンディライオン》や「シャドール」カードなども採用していました。
この意識は《ドリル・ウォリアー》や《外神ナイアルラ》、《捕食植物オフリス・スコーピオ》等を採用していくにつれて確定的なものとなっていきました。

また、「アドを取るフィールド魔法」ということは、安直に言い換えて「初動」となります。
全体を見て察されるかと思われますが、取り留めの無い構築であるように見えて初手でデッキに触る性能は比較的高めです。
1ターン目から手数を重ねて動くようなことはできませんが、何かしらの行動は起こせるようになっています。

そして今更ながら、「アドとして扱われることのできる場魔法」が真芯を貫きます。
言い換えれば「サーチの容易なフィールド魔法」で、これを調達していくだけでコンセプト的には適します。
当時カテゴリ内フィールド魔法収録数の最大だった「ゴーストリック」と、そして「トラミッド」がこれにあたります。この2テーマだけで6枚。目指す数字を考えればけっこうな割合を占めます。


2-2.延命手段

「攻撃を止めること」と「サイクルで盤面を残し続けること」。
極論殴るのは1回で良いので、その1回を獲得するために生き延びること。

「攻撃を止める」という方針は、そもそも構築の根幹にゴーストリックが含まれているのでさほどの問題でもありませんでした。これに加える形で、ここでもフィールド魔法で枠を埋めていこうという意識。
《ダーク・サンクチュアリ》が顕著です。また《古の森》による攻撃抑制、《ブラック・ガーデン》による攻撃力減退もこの一環。その他《岩投げエリア》や《スパイダー・ウェブ》なども候補でした。

「サイクルで盤面を残す」というのは、主に《巨神竜フェルグラント》《アークブレイブドラゴン》効果の複数回使用が要となってきます。まずこの2枚で相互に蘇生し合うことができるほか、デッキの主軸となる《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》《妖精竜エンシェント》の2枚看板、蘇生時に妨害を挟める《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》が主な蘇生対象として挙がります。
特に条件の緩いアークブレイブを回収・墓地送りさせていくことで繰り返しの起動を図ります。そのために《ドリル・ウォリアー》《外神ナイアルラ》による疑似ループを設計しました。
特にドリルについては、前述のハンドカット意識がそのままこちらに活かされてきます。

また些細なことですが、エンフェの効果の使用回数が非常に多くなるため、期せずしてライフゲインがこの措置のために役立つこともままありました。
一応、《トラミッド・クルーザー》にも回復効果が含まれていたりはします。


2-3.《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》の最大限の活用

満を持してこの項目に至りました。

「フィールド魔法を複数扱う」ということを考えた際、真っ先に挙がるカードがこのエンフェというモンスターになってくるのは自明の理と思われます。そもそも「1ターンに1回、毎ターン使用できる起動効果でフィールドをサーチする」というカードが他に類を見ません。
デッキ内に複数種類のフィールドを併用するという構築には、デッキ内から好きなフィールドをピックし続けることのできるこのカードの性能を存分に発揮できる意味があるといえます。俗に言う「場コン」というやつですね。
このデッキのコンセプトを決めた際、最も重要になってくる、最も扱いを考えなければならないモンスターであると判断しました。言いたいことは色々あると思いますがひとまず堪えてください

活用方法、ひとつは上記のブレイブループによる繰り出し。墓地に送ってからの蘇生を厚くする意識は新マスタールールにてEXモンスターゾーンが導入された際にも役立ちました。また、意図的に墓地に送ったのちに蘇生することができればターン内に2度目以降の効果発動も狙える、といった算段が最初はありました。

次いで、《刻剣の魔術師》による維持。毎ターン除外ゾーンに隔離することでそもそも除去や攻撃を受けなくしようという保護手段です。この組み合わせを成立・意地できていれば概ねこちらのペースということになります。場が空く懸念もある程度はゴーストリックでカバーが利くため、非常に相性の良い強力な形です。
刻剣自体は、《天空の虹彩》→《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》、もしくは《召魔装着》→《魔装戦士ドラゴディウス》、の2通りのフィールド魔法始動で調達することができます。

そして肝心なのがシンクロ召喚の方法。最初に重視したのは《ブリリアント・フュージョン》と《デブリ・ドラゴン》の2枚でした。
ブリリアントは周知の通り、《ジェムナイト・ラズリー》+《ギャラクシーサーペント》で《ジェムナイト・セラフィ》融合召喚からサーペント回収・通常召喚で7シンクロ。召喚権を残したままであることが最大の強みです。また先に書いた通りジェムナイト2種はハンドカットでも誘発させることができ完全に「ゴミ」になってしまうことが無い、引き切っていても《エッジインプ・シザー》《サイバネット・ユニバース》である程度のカバーが可能、といった構築上の相性の良さがありました。当初は《マジカルシルクハット》→《Z-ONE》のコンボでサーチしていましたが、オフリススコーピオ→ダーリングコブラで安直にサーチできるようになってからはそちらに切り替えています。
デブリは☆3の非チューナーを釣り上げることで一手でドラゴン族シンクロに。デッキの核に位置する《ゴーストリック・キョンシー》と《ローンファイア・ブロッサム》がこれに該当しました。どちらも早い段階でプレイに落とし込みたいモンスターであり、優先して使っていく理由を重ねていくことができます。また、以前は《オルシャドール―セフィラルーツ》を釣り上げて《セフィラの神託》のX効果を狙いつつ《外神ナイアルラ》に繋げていたことがありました。
その他総じて、「☆4チューナー+☆3非チューナー」、もしくは「☆2チューナー+☆5非チューナー」で考えることでレベルをまとめていました。前者の例は《エンジェル・トランペッター》や《A-アサルトコア》+《トルクチューン・ギア》に《エッジインプ・シザー》を蘇生させて揃えます。後者は《シャドール・ファルコン》→《シャドール・ビースト》などを採用していたほか、《EMオッドアイズ・シンクロン》の採用を検討しています。

エンフェの重視に伴い、その他☆7シンクロも併せて意識することとなりました。
特に対を成す《妖精竜エンシェント》が、やはり重要となっています。また《ブラック・ローズ・ドラゴン》は全体破壊・表示形式操作ともに相性が良く、切り返しにもとどめにも扱いやすいカードとなりました。

最終的にこの項目は《亡龍の戦慄―デストルドー》の登場と採用をもって完遂となります。
これにより特に《竜の渓谷》が占めるウエイトが非常に大きいものとなりました。また《終末の騎士》が投入され、シザー・スカラマリオン・グラファあたりを巻き込んでより構築を引き締めることができました。エンフェ効果乱発による無闇なライフゲインもこのコストとして有効に利用が可能に。


2-4.その他、変遷

このデッキにおける中心的な考え方は以上です。
これらはほとんど構築当初から変わっておらず、あとはひたすらフィールド魔法とそれに伴うカード群を試すばかりでした。
最初は本当に何もできず圧倒されるばかりの”紙束”でしかありませんでしたが、次第に構築やプレイが洗練され、オフ会などで何度かスフィンクスによるワンショットを決めることができるようになるに至りました。

特に使っている側としてはプレイ内容の深化が実感として強く、もちろんそれは《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》によって都度適切なフィールドを持ってくるための状況判断が習熟してきたことが大きいのかな、というところです。
中にはレシピをコピーして回してみました、アレンジしてみました、というこの上なく貴重なお声までいただける事態に。こんなぶっ飛んだデッキ使っていただけるなんて……とちょっと信じられませんでした。今でもちょっと信じられません。
オリジナルデッカー冥利に尽きます。

変遷の〆として、このデッキを使用していた上で特に見逃せない追加カードが《ゴーストリック・リフォーム》でした。


ゴーストリック・リフォーム
通常罠
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「ゴーストリック」フィールド魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。その後、手札・デッキからフィールド魔法カード1枚を発動できる。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの「ゴーストリック」Xモンスター1体を対象として発動できる。その自分のモンスターとカード名が異なる「ゴーストリック」Xモンスター1体を、対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。



「ゴーストリックを軸の1つとして20種のフィールドを切り替え続けて戦う」デッキにこれは……



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まあ、そうなるわな()


といいつつ実はまだしっかりと扱えてなかったりもします。
ゴーストリック要素の配分も一度は見直してみるべきかもしれません。






そういうわけで。
最初は驚くほど弱かったデッキでしたが次第に構築・プレイング・新規を獲得し、それなりに楽しめるデッキとしてまとまっていきました。
そこまで吹っ飛んだパワーカードもなるべく採用しないように心がけ(《ドラゴニックD》など。使う気が起きませんでした)、これなら今後とも長く付き合っていけるデッキになるだろう、というつもりでいました。


それだけ気に入っていたデッキだったのでしたが。


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はい。





後半へ続く。