悠久フィロソフィー

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LVALテーマ考察2:ゴーストリック

昨日に引き続き新弾の面々を見てみます。
 
 
ゴーストリック・フロスト
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 800/守 100
自分フィールド上に「ゴーストリック」と名のついたモンスターが存在する場合のみ、このカードは表側表示で召喚できる。
このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。
また、相手の直接攻撃宣言時に発動できる。
その相手モンスターを裏側守備表示にし、このカードを手札から裏側守備表示で特殊召喚する。
 
前回SHSPから続投で今回もメインを演じる【ゴーストリック】。
レベル1は手札誘発の悪魔族、というデザインが保持されていて少し嬉しい心地です。
 
 
《ゴーストリック・マリー》については既に情報が出ていましたが、追加される2種類目のレベル1が《ゴーストリック・フロスト》でした。
召喚制限とサイクルリバース効果はテーマ共通効果。
相手ダイレクトアタック時に攻撃モンスターを裏守備にし、その後特殊召喚する効果です。
 
 
類似効果の《ゴーストリック・ランタン》と比べ優れている点は相手モンスターを寝かせたままバトルを終了できる点。
リリース手段でもなければ基本的に裏守備のままこちらにターンが回ってくることになります。
逆にランタンと比べて見劣りするのはダイレクトアタック限定であることと攻撃そのものを無効にはできないこと。
特に今回表側表示で立てておきたい新規ゴーストリックが登場したため、その点についてはランタンのほうが使い勝手がよいといえるのかもしれません。
また細かな点ではありますが《悪夢再び》で回収できないステータスでもあります。このあたり《ゴーストリック・デュラハン》の登場でさしあたりの問題でもないのかもしれませんが。
 
 
 
ゴーストリック・マリー
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 100/守1600
自分フィールド上に「ゴーストリック」と名のついたモンスターが存在する場合のみ、このカードは表側表示で召喚できる。
このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。
また、戦闘またはカードの効果によって自分がダメージを受けた時、このカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「ゴーストリック」と名のついたモンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する。
「ゴーストリック・マリー」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
 
もう1種のレベル1新規がマリーさん。
共通効果と、ダメージを受けた時に手札から自身を捨ててゴーストリックを裏守備でリクルートする効果を持ちます。
 
 
以前にも考察に含めたことのあるカードですが、改めて見直してみるとやはりデッキからの特殊召喚は強力ですね。
これまでリクルート先は《ゴーストリック・キョンシー》で安定するように思われていましたが、今回登場する別なレベル3ゴーストリックのほうが優先される状況もじゅうぶんに想定できます。
なんにせよ状況に応じて呼び出すモンスターを選べる点は高性能であるといえます。
 
 
ダメージは通してしまっているので、できれば《ゴーストリック・ハウス》によるフィールドの維持&ダメージ軽減を経たのちに効果を使いたいところ。
自爆特攻や自分カードのダメージでも条件を満たせるので、そのあたりは思い切りが求められる場合もあるかもしれません。
ファンデッキに出張させるにはどうにも枠をとりそうではありますが。
 
 
ゴーストリックの猫娘
効果モンスター
星2/闇属性/魔法使い族/攻 400/守 900
自分フィールド上に「ゴーストリック」と名のついたモンスターが存在する場合のみ、このカードは表側表示で召喚できる。
このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。
また、フィールド上にこのカード以外の「ゴーストリック」と名のついたモンスターが存在する限り、レベル4以上のモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時、そのモンスターを裏側守備表示にする。
 
レベル2ゴーストリックは「相手モンスターを裏守備にする魔法使い」というデザインで、こちらも相変わらず。
とてもよいと思います。
 
 
猫娘さん。共通効果に加えて、「猫娘+ゴーストリック」が表側になっている間は裏守備版《レベル制限B地区》を張る効果を持っています。
ゴーストリックのステータス的に発動条件の厳しさはありますが、妨害能力は相当なものです。
表側守備にする《つまずき》なり《レベル制限B地区》なりですら相当鬱陶しいと思われるところを裏守備にしてしまうわけであり、展開の抑止力としての性能は相当なものになります。
 
 
その性質上表側で立っていなければならず、こうしたゴーストリックはあまり多くはありません。
《ゴーストリック・パニック》をうまいこと活かせると楽なのかもしれませんが、そうなるとおそらくは先撃ちが求められることになるわけで、プレイング的にもアド的にも微妙。
表側表示のゴーストリックを戦闘から守ることができるのは《ゴーストリック・アルカード》と《ゴーストリック・ランタン》のみであり、時間をかけて安定した布陣を敷くか、あるいは低ステータス2体を晒しつつ相手ターンを迎えるか、というどちらかになりそうです。
 
 
また、後出しが効かないのでそのあたり注意が必要かもしれません。
レベル3以下のモンスターには無力であることもポイントでしょうか。
一方で高ランクのエクシーズモンスターには素材を裏守備にしてしまうのでそんなに相性が悪くなさそうに見えます。寝かせた次のターン中にはどうにかしないといけないわけですが。
《闇の護封剣》の需要がさらに高まった気がします。
 
 
ところでこのカードが「レベル4以上」を妨害することを公式にテキストに示したことから、【ゴーストリック】はレベル3以下のテーマなんやで!と宣言したように見えます。
大型モンスターの登場を願うのは筋違いということになるのでしょう。
 
 
余談ですが最初「猫」と「娘」がくっついて見えて「狼」に見えました。
 
 
ゴーストリック・スケルト
効果モンスター
星3/闇属性/アンデット族/攻1200/守1100
自分フィールド上に「ゴーストリック」と名のついたモンスターが存在する場合のみ、このカードは表側表示で召喚できる。
このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。
また、このカードがリバースした時、自分フィールド上の「ゴーストリック」と名のついたモンスターの数まで、相手のデッキの上からカードを裏側表示で除外する。
「ゴーストリック・スケルトン」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
 
ここからはレベル3です。
海外先行の《ゴーストリック・グール(仮)》の時点で「サーチ・サルベージ」というデザインではなくなっていましたが、アンデット族であることは変わっていません。
 
 
ケルトン。さらりととんでもないことが書いてあります。共通効果に加えて《シールド・ワーム》的デッキ破壊。
デッキから墓地へおくるのではなく除外というだけで相当強力であるのに、裏側のままという形式。
これは再利用の非常に難しい除去方法であるといえます。カードステータスを参照することができないため、実質的に《ネクロフェイス》《E・HERO エリクシーラー》くらいしか操作可能な範囲に呼び戻すカードがありません。
征竜のような除外時に発動する効果も使えないことになると思われます。
 
 
1ターンに1度の制約があるので、スケルトンを複数体並べてひゃっはーという事態にはならないようになっています。
破壊枚数は場のゴーストリックに依存するため、数の暴力的発想のもと戦うことの多いこのテーマにしてみればごく自然な動き。
加えてサイクルリバースという動き方は相手への妨害を何度も繰り返すことができる非常に相性のよい形式であるといえます。
 
 
とにかく自身も含めて頭数を確保したい都合上、《ゴーストリック・ハウス》なり後述の新フィールドなりに大きく依存することになるかと思われます。
また一度に最大5枚まで除外できうるというだけであり、このカードでデッキを削りきって勝利を目指すというデッキは難しそうです。
あくまでも相手デッキのパーツを使用不可能に追い込むという目的のもとサポートで使っていくくらいでもよいのかなと思います。裏を返せばどんな状況でも1枚は除外できるということですし。
 
 
アンデット族ゆえに蘇生が容易なのも怖いところですね。
【ゴーストリック】に【アンデット】要素を加えることも割と現実的になるのかも。
 
 
ゴーストリック・マミー
効果モンスター
星3/闇属性/アンデット族/攻1500/守 0
自分フィールド上に「ゴーストリック」と名のついたモンスターが存在する場合のみ、このカードは表側表示で召喚できる。
このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。
また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分は通常召喚に加えて1度だけ「ゴーストリック」を名のついたモンスター1体を召喚できる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分は闇属性以外のモンスターを特殊召喚できない。
 
下級モンスター最後の1枚です。
マミー=ミイラは遊戯王ではおなじみですね(?)
 
 
表側表示でいる間はゴーストリック限定で通常召喚権を増やせる効果持ち。
【セイクリッド】【ヴェルズ】【炎星】などが召喚回数そのものを増やしつつ展開していくデッキの有名どころですが、ついに【ゴーストリック】もその手段を手に入れてしまったというわけです。
発想としては非常に噛み合っている効果であるといえます。
 
 
召喚権を増やすためには表側でいる必要がありますがそこは必要な時だけ表になっていてもらうということで、何も表側表示で張り付いていてもらわなければならないということもなさそうです。
同様に、闇属性以外を特殊召喚できないデメリットも、そんなに気になるものではないように見えます。
というか目下【ゴーストリック】で闇属性以外のモンスターを特殊召喚する場合のほうが稀であるような気がしますが……いちおう、自身を使って《発条機雷ゼンマイン》などは出せませんよということでしょうか。
 
 
何気にメインデッキに入るモンスターの中では《ゴーストリック・シュタイン》に次ぐ打点であることもポイントかもしれません。
一方で反転召喚のたびに《奈落の落とし穴》を警戒すべきであるあたりは注意。
 
 
レベル1ゴーストリックは召喚の意義が薄いので、《ゴーストリックの魔女》であるとか、《ゴーストリック・シュタイン》のような、攻撃性能のあるモンスターを展開したいところです。
目下召喚時に効果を発動するゴーストリックモンスターはいないので、《ゴーストリック・スケルトン》の支援としてプレッシャーをかけていくなどの活用になるのかもしれません。
マイナーカード好きの視点から見ると《うごめく影》が捗りそう。
 
 
ゴーストリック・デュラハン
エクシーズ・効果モンスター
ランク1/闇属性/悪魔族/攻1000/守 0
レベル1モンスター×2
このカードの攻撃力は、自分フィールド上の「ゴーストリック」と名のついたカードの数×200ポイントアップする。
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの攻撃力をエンドフェイズ時まで半分にする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
また、このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地からこのカード以外の「ゴーストリック」と名のついたカード1枚を選択して手札に加える事ができる。
 
こちらも以前見たことがありました。
場に残るレベル1ゴーストリックとして《ゴーストリック・フロスト》が追加されたので、出しやすさは上がっているように思えます。
 
 
《ダウナード・マジシャン》の登場から少し注目を集めているようです。
この書き方ならばエクシーズ素材から外れた際にもサルベージ効果を発動できそうということ。
 
 
にしても字レアじゃなかったん……?
 
 
ゴーストリック・ミュージアム
フィールド魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、「ゴーストリック」と名のついたモンスター以外の自分フィールド上のモンスターは攻撃できず、お互いのフィールド上のモンスターは、裏側守備表示のモンスターに攻撃できず、相手フィールド上のモンスターが裏側守備表示のモンスターのみの場合、相手プレイヤーに直接攻撃できる。
また、プレイヤーに戦闘ダメージを与えたモンスターは、ダメージステップ終了時に裏側守備表示になる。
 
新規フィールドです。
1.自分「ゴーストリック以外」は攻撃できず、
2.お互いに裏守備には殴れず、
3.裏守備しかいない場合は直接攻撃でき、
4.ダメージを通したら裏守備になります
という4つの効果があり、このうち2つ目と3つ目は《ゴーストリック・ハウス》に共通しています。
 
 
《ゴーストリックの魔女》がいない場合にでも相手モンスターを裏守備にできる点が注目されるところでしょうか。
ダメージ軽減からいろいろと相性の良い《ゴーストリック・ハウス》のほうが優先順位は高そうですが、フィールド魔法に依存するテーマであるため、選択肢が増えたことは朗報といえるのかもしれません。
構築難易度が上がっただけかもしれませんが……
 
 
サイクルリバース効果を止められても攻撃さえ通せば裏守備に戻ることができるというあたり、《エフェクト・ヴェーラー》に対して強くなったという見方はできそうです。
一方自分ゴーストリック以外が攻撃できないデメリットから、他のテーマのアタッカーとコンボできないあたりは少々残念。まあ何がおるんかいといわれてぱっと出てきませんけど(
 
 
ゴーストリック・ロールシフト
永続罠
1ターンに1度、バトルフェイズ中に以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールド上に存在する「ゴーストリック」と名のついたモンスター1体を選択して裏側守備表示にし、相手フィールド上に裏側守備表示で存在するモンスター1体を選んで表側攻撃表示にする。
●自分フィールド上に裏側守備表示で存在するモンスター1体を選択して表側攻撃表示にし、それが「ゴーストリック」と名のついたモンスターだった場合、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選んで裏側守備表示にする。
 
最後になりました。新規罠カード。
「ゴーストリック」と名のついた魔法・罠が増えるだけでも《ゴーストリック・シュタイン》が強化されることになるわけです。
 
 
2つの効果があり、1ターンに1度どちらかをバトルフェイズ中に発動が可能。
1つ目の効果は自分表側ゴーストリックを裏側に、相手裏側モンスターを表側にする効果。
2つ目の効果は自分裏側モンスターを表側にし、ゴーストリックだった場合相手表側モンスターを裏側にする効果。
 
 
やはり2つ目の効果の前半部分がポイントになりそうです。対象は裏側であるならゴーストリックでなくとも構わないため永続カード版の《太陽の書》であるといえます。
多くのリバース効果モンスターやリバース時に発動するモンスターと相性が良く、色々と使い道が考えられそうです。
個人的には《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》+《火霊使いヒータ》を強く後押しするなあとぱっと思いつきました。霊使いとは相性が良さそうです。
一方でバトルフェイズ中にしか使えないため《極星獣タングニョースト》の展開は一歩遅れることになりそうですが。
 
 
もちろんゴーストリックテーマ内で使っても強力で、攻撃時には相手モンスターを寝かせてからのダイレクトアタックが、守備時には《ゴーストリック・スペクター》などの防御性能の向上が見込めそうです。
その動き方から私の好きな「ギミックやってる感じ」が出ていて非常によいと思います(にっこり
 
 
 
○総評
 
 
ずいぶんと小回りが利くようになったと思います。特に猫娘とスケルトンはデッキの方向性を定めるくらいのポテンシャルがありそうです。
フィールドに依存する点、状況判断とそれに応じたプレイングが求められる点は相変わらずというかより複雑化した印象で、かわいらしい見た目に反して使う側にも使われる側にもえげつない結果をもたらしそうな予感。
 
 
以前から、ADSで【ゴーストリック】を使っている時の被切断率は相当なものでした。
「どうして俺に気持ち良くデュエルさせねえんだ!」的意見をのたまうお子様にはつらいデッキなのかなーとぼんやり思います(ゲス顔
嫌われる動きをするデッキという性質は間違いなく洗練されたといえるのではないでしょうか。
 
 
あとは構築の難しさ、バランスのとり方の技術なのかなと思います。
選択肢はじゅうぶんに増えたので、あとはこれらとサポートカード・汎用カードをどのようなバランスで40枚に収めるか、あるいは40枚を超えてもじゅうぶん回すことができそうではあるので何枚まで枠を取るか、など、判断に迷う点は多々あります。
 
 
腕の見せ所です(震え声)