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LVALテーマ考察3:森羅

早いものでもう明後日が新弾発売日だったりします。
テーマ考察として見ておきたい3つ目として【森羅】をぱーっと考察してみようかなと思います。
 
 
なにぶん数が多めなので今回はざっくりと。
申し訳程度に以前触れたこともいちおうありましたし……
 
 
森羅の実張り ピース
効果モンスター
星1/風属性/植物族/攻 400/守 100
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分のデッキの一番上のカードをめくる事ができる。
めくったカードが植物族モンスターだった場合、そのモンスターを墓地へ送る。
違った場合、そのカードをデッキの一番下に戻す。
また、デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、自分の墓地からレベル4以下の植物族モンスター1体を選択して特殊召喚できる。
「森羅の実張り ピース」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
 
「デッキトップをめくり、植物族なら墓地へ、そうでなければボトムへ」という効果はテーマ共通効果になっています。
めくる効果のタイミングや枚数はカードにより異なり、また自身がめくられて墓地へ送られた場合に発動する効果もそれぞれ固有のものになっています。
ある意味で【幻獣機】に近いデザインといえるのかもしれません。
 
 
ピースの固有効果はレベル4以下の植物を蘇生と比較的扱いやすい効果になっています。
この書き方ならば、墓地に他の対象がいない場合でも自身を蘇生できそうなのが強みでしょうか。
もちろん《ローンファイア・ブロッサム》等の再利用が理想ではあります。
 
 
森羅の影胞子 ストール
効果モンスター
星2/炎属性/植物族/攻 100/守2000
このカードがリバースした時、自分のデッキの上からカードを5枚までめくる事ができる。
めくったカードの中に植物族モンスターがあった場合、それらのモンスターを全て墓地へ送る。
残りのカードは好きな順番でデッキの一番下に戻す。
また、デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる。
 
レベル2にして守備2000は高めですがリバース時とテンポはいまいち。
5枚同時にめくった中で複数枚「森羅」モンスターの効果を発動させて複数回のチェーンを組んだりできそうではあります。
 
 
固有効果は魔法罠破壊。展開には直結しないのである意味状況を選びます。
墓地から発動する《サイクロン》と思えば聞こえは悪くないかもしれませんが、狙ったタイミングで使いにくいのがネック。
 
 
森羅の水先 リーフ
効果モンスター
星3/水属性/植物族/攻1500/守1200
このカードが召喚に成功した時、自分のデッキの上からカードを2枚までめくる事ができる。
めくったカードの中に植物族モンスターがあった場合、それらのモンスターを全て墓地へ送る。
残りのカードは好きな順番でデッキの一番下に戻す。
また、デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、フィールド上のモンスター1体を選択して破壊できる。
 
一方でこちらはモンスターを破壊。
こちらも同様に狙っての発動が難しいのが厄介なところです。
相手場にモンスターが並んでいるところにうまいこと発動できたらラッキー、という行き当りばったりな発動になるかと思うとどうにも評価しにくい。
 
 
個人的に「水属性・植物族・レベル3」が増えることは割と嬉しいような気もしましたが冷静に考えると微妙でした(ぇ
 
 
森羅の番人 オーク
効果モンスター
星6/地属性/植物族/攻2400/守1500
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。
自分のデッキの上からカードを3枚までめくる。
めくったカードの中に植物族モンスターがあった場合、それらのモンスターを全て墓地へ送る。
残りのカードは好きな順番でデッキの一番下に戻す。
また、デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、自分の墓地からこのカード以外の植物族モンスター1体を選択してデッキの一番上に戻す事ができる。
 
テーマ内下級モンスターがテーマ固有効果を誘発効果として持つのに対して上級モンスターは起動効果でそれを持つようになる、というのは割とコナミによく見られる傾向であるように思われます。
まあぱっと思いつくのが【レプティレス】くらいなのですが。
デザインとして上手いことやったつもりだったのかもしれませんが、もはや手遅れというか、こういう言い方は好きではありませんが時代遅れな感じが否めません。
 
 
めくられて墓地へ送られると植物1体を墓地からデッキトップへ。
そのまま何もしないでいると基本的にドローロックにもなりかねないのでコンボ前提になります。
《星見獣ガリス》などデッキトップを参照するカードが使えそうに見えますが、実はガリスと「森羅」はそんなに相性がよくなかったりします。あれらの多くは「めくる」モーションを介さずに直接墓地へ送ってしまうものが多いので。
 
 
場にレベル6モンスターがいれば《モンスター・スロット》が捗りそうではあるなあと思いました。
やはり《ギガプラント》のお世話になることになりそうです。
 
 
森羅の仙樹 レギア
効果モンスター
星8/炎属性/植物族/攻2700/守1800
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。
自分のデッキの一番上のカードをめくる。
めくったカードが植物族モンスターだった場合、そのモンスターを墓地へ送り、デッキからカードを1枚ドローする。
違った場合、そのカードをデッキの一番下に戻す。
また、デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、自分のデッキの上からカードを3枚まで確認し、好きな順番でデッキの上に戻す。
 
さすがに最上級ともなるとめくった後にドローのおまけがついてきます。
炎属性なので《炎王炎環》対応なのもグッド。
レベルも共通しており《姫葵マリーナ》との相性は良さそうです。
 
 
デッキトップ操作は《魔導書整理》程度の影響ですが、3枚の中からめくりたいカードを引きずり出せるのは良い感じです。
逆を言えばそれ以上の操作は管轄外なので3枚確認して内容が酷くても泣かないこと。
 
 
森羅の守神 アルセイ
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/光属性/植物族/攻2300/守3200
レベル8モンスター×2
1ターンに1度、カード名を1つ宣言して発動できる。
自分のデッキの一番上をめくり、宣言したカードだった場合、手札に加える。
違った場合、めくったカードを墓地へ送る。
また、カードの効果によって自分のデッキからカードが墓地へ送られた場合、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
フィールド上のカード1枚を選択して持ち主のデッキの一番上または一番下に戻す。
「森羅の守神 アルセイ」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
 
汎用ランク8で、テーマに囚われない効果を持ち、高い守備力を持っているのがファンデッカーにとって嬉しいところです。
やっていることは《デーモンの宣告》なので状況を整えれば1ドローに直結させられることは実証済みといえますし、後半の効果のトリガーを自分で用意できるという意味でも優秀です。
 
 
ORUを消費する後半の効果はトップにもボトムにも置ける万能デッキバウンスということでかなり強力。
前弾で強化された【ヴァンパイア】を目の敵にするような発動条件ですが偶然でしょう(動揺)
自分場の森羅をトップにもどして云々というのはディスアド感がすごいので状況に応じてそういう手段もあるよということを考えておく程度になりそうです。
 
 
デッキバウンスに特化させ【爆風ライザー】的構築にしたら相当やらしいことになるだろうなあと思いましたが手頃なレベル8がいませんでした。がっくし。
一方で簡単にレベル8をぽんと投げられる【青眼の白龍】系統ならば《竜の渓谷》《竜の霊廟》の都合上効果が使いやすそう。
 
 
森羅の霊峰
フィールド魔法
自分のメインフェイズ時に手札または自分フィールド上に表側表示で存在する、植物族モンスター1体を墓地へ送って発動できる。
デッキから「森羅」と名のついたカード1枚を選んでデッキの一番上に置く。
「森羅の霊峰」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
また、相手のエンドフェイズ時に1度だけ、自分のデッキの一番上のカードをめくる事ができる。
めくったカードが植物族モンスターだった場合、そのカードを墓地へ送る。
違った場合、そのカードをデッキの一番上または一番下に戻す。
 
発想としては《竜の渓谷》なのですが直接操作可能な領域に持ってくるまでにもう1枚必要になるのが少々苦しい。
そのまま相手ターンを迎えることで実質デッキから直接森羅モンスターの効果を発動する形になりますが、1枚のコストを経てから丸々1ターンの猶予を相手に与えてしまうのはなんとも怖いものです。
何をトップに置いたかも予告済みなので相手エンドフェイズの奇襲や展開はいまひとつクリティカルでない。
 
使うのならばやはり自分カードで積極的に動いていくための足がかりにしたいものです。
しかしそのために手札消費1はややきついのではなかろうかという印象。フィールドからでも良いものの「墓地に送って」なので《ダンディライオン》等のトークンが使えなさそうなのがつらい。
 
 
森羅の恵み
通常罠
手札を1枚選んで持ち主のデッキの一番上またはデッキの一番下に戻し、自分の手札・墓地から「森羅」と名のついたモンスター1体を選んで特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、このカード以外のカードの効果を受けず、エンドフェイズ時に持ち主のデッキの一番上または一番下に戻す。
 
《デーモンの雄叫び》とも《限定解除》とも《儀水鏡の幻影術》ともつかない展開効果。
いちおう相手の妨害をかわしつつの攻撃はできるようなのでエクシーズなりシンクロなりしてしまえば1ターンしか残らないデメリットもそこまで気にならずに済みそうです。
 
 
しかしさっきからずいぶん簡単に手札を消費させてくれますが大丈夫なんでしょうか。
手札コストだって思いっきり有限なのですけどね。
どうもそのあたりのリカバリーの薄さがこのテーマの1番不安な点になりそうな予感。
 
 
 
○総評
 
 
動きとしてはこれまでになかった不思議な動き方をとりますが、どうにもただヘンなことやってるというだけのような気もしてしまいます。
デッキトップに置くというのは手札やフィールドと違い「あともう1枚追加して」直接操作が可能になる場所であり、何の考えもなしにトップを操作するのはただ次ターンの可能性を狭めているだけにもなりかねません。
それこそ《ラヴァルバル・チェイン》なりのように《カオス・ソルジャー―開闢の使者―》を持ってくるとかであればまた話は変わってきますが、サーチ先にそれほどまでの絶対的な決定能力・召喚能力を持つカードが見当たらないのがつらいところ。
 
 
アドに直結するカードが少なく、これらの中でぐるぐるやっているうちは「既に手元にある情報」でやりくりしているだけにすぎず、場にあるいは手札に残るものが確保しにくいように見えるのが最大の難点。
【炎星】が強いのは例えばユウシがモンスター破壊だけでなく後続の炎舞をサーチしつつ場に残るためであり、効果を使う時点ですでに墓地に落ちている森羅ではボードアドがどうにも劣ってしまいそう。
墓地から複数体特殊召喚できるカードなどくればまた変わるのかもしれませんが。
 
 
総じて、そうとう上手いこといかないときれいに回すのは難しいのではないかなというところです。
回した結果としてワンキルなり征圧なりにハンド・ボードアドを稼ぐなりに至るビジョンが見えないのがやはりつらい。
 
 
もっとも、これは今回までに見てきた3つのテーマすべてに言えることであると思います。
どれも高打点をばっかんばっかん並べるようなことはしない、複数ターンをかけた勝負を前提とするような低速デッキです。
どうにもコナミは昨年度の状況からか無闇矢鱈な低速化を推進する方向に動いているように見えます。もちろん高速環境がおかしかっただけの話なのですけど、考えなしにデュエルを長引かせればよいかというとそれもまた疑問。
 
 
まだ出たばかりのテーマである点が森羅の強みです。それなりに続投は期待してもよさそうなポジションなのではないでしょうか。
逆に言えば現段階では難しさが先立ちます。ファンデッキレベルならむしろちょうどよいのかも?(ぇ
 
 
 
 
※13/11/16追記
 
もしやと思っていましたがやっぱり1枚見落としていました。いちおう付け加えておきます。
 
 
森羅の花卉士 ナルサス
効果モンスター
星4/地属性/植物族/攻1800/守1000
このカードが召喚に成功した時、自分のデッキの一番上のカードをめくる事ができる。
めくったカードが植物族モンスターだった場合、そのモンスターを墓地へ送る。
違った場合、そのカードをデッキの一番下に戻す。
また、デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、デッキから「森羅」と名のついたカード1枚を選んでデッキの一番上に置く事ができる。
 
《森羅の番人 オーク》のデッキ版といえるでしょうか。
しかしまあ全体的に召喚権がきつそうだなーという印象になったものです。やっぱり【幻獣機】を思い出します。
 
 
《エンペラー・オーダー》でドローするのとどっちがいいかなーという感じ。
ところでその《エンペラー・オーダー》と相性のいい《ナチュル・コスモスビート》も植物族でしたね。これは何かできそう。