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LVALテーマ考察1:墓守

昨日の今日ですが何やらえらい量の情報がどばーと来ていたようですね。
もうほとんどカードリスト判明したとかなんとか。
 
 
さすがに一度に消化しきれません。少しずつまとめて検証していきたいと思います。
幸いにも(?)今回はテーマごとのまとまり具合がいつもに増して強いように見受けられますので。
 
 
墓守の使徒
星3/闇属性/魔法使い族/攻1000/守1000
このカードが相手モンスターの攻撃によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから「墓守の使徒」以外の「墓守」と名のついたモンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚できる。
 
蓋を開けてみれば、今回の復刻テーマは【墓守】でした。
ちょうど先月あたりとある東方キャラデッキにこのテーマを使っていたところだったので、嬉しいような、見透かされたような、複雑な心境です。
元々のスペックがかなり高いテーマではあったので、ここに来ての爆上げは環境に食い込む可能性さえ見せているといえます。
 
 
まず《墓守の使徒》。自爆特攻ができない代わりに名前以外の制約が無いリクルーター
裏側守備表示でのリクルートなので基本的には《墓守の偵察者》を展開していくことになりそうですが、今回後述する上級モンスターも呼べるあたりが非常に柔軟です。単に《墓守の番兵》などリバース効果持ちを呼ぶのも可、状況に応じて《墓守の召喚師》だとなお動きやすそう。
 
 
その《墓守の召喚師》と同じレベル3モンスターであることもポイントなのかもなーと思います。
ステータス的に、また召喚師の効果を積極的に使いたいためにランク3エクシーズをすることはおそらく稀でしょうが、いちおう選択肢として。
 
 
制約の少ないリクルートは強力ですが、どこまで行っても受動的な発動条件です。
待っているうちに《墓守の偵察者》あたり素引きしかねなくはあるので、頃合いを見て《ワンダー・ワンド》あたりに使ってしまうのもそう間違ってはいなさそう。
 
 
ただしこういったリクルーターは《墓守の石板》で使い回す意義が非常に大きいと思っています。
その意味でサーチャーである《墓守の召喚師》と対になる存在が出たことにはなかなか意味がありそうです。
このあたり、どことなく【ガスタ】を彷彿とさせます。
 
 
しかし墓守の使徒抹殺の使徒に弱いというのはどういうアレなんですかね
 
 
墓守の伏兵
星4/闇属性/魔法使い族/攻1700/守0
このカードがリバースした時、相手の墓地のカード1枚を選択してデッキの一番下に戻す事ができる。
また、リバースしたこのカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の「ネクロバレー」と名のついたカード1枚を選択して手札に加える事ができる。
このカードの効果は「王家の眠る谷-ネクロバレー」の効果では無効化されない。
 
次です。リバース効果モンスターでないながらリバース時効果を持つモンスターです。
そういうわけで上記《墓守の使徒》との相性は良さげであると言わされることになります。なんというかあまり良い気はしませんが。
 
 
リバース時:相手墓地のカード1枚をデッキボトムに
リバース後墓地へ:「ネクロバレー」を1枚回収
という2つの墓地干渉効果を持ち、それぞれ自分のネクロバレーに阻害されない効果になっています。
 
 
相手墓地カードをボトムに戻す効果が刺さるかどうかは正直相手次第ではあります。
ただ、現在墓地を利用することのないデッキのほうが少ないくらいではあるので、相手キーカードをデッキに戻しておくという考え方は安直ながらそれなりに意味を持ちます。
強制効果ではないのでどう使うかは状況によるところでしょうか。プレイングが問われます。
 
 
後半の回収効果に関しては《智天使ハーヴェスト》的ツッコミが入れられそうなところではありますが、うまく噛み合えばもちろん強力です。
大昔一度だけ話題になり見かけたことのある【祇園墓守】をなんとなく思い出しました。たぶん後述します。
 
 
このモンスターの最大のポイントは《王家の眠る谷―ネクロバレー》下における下級モンスターの最大攻撃力を更新したことではないでしょうか(これまでの最大値は《墓守の司令官》の2100)。
もともと【墓守】は【Sin】に頼るなりしないと安定した打点がとれないテーマではありました。1700→2200という程度で何が変わるのかというとまあそれは怪しいところではありますが、テーマの内容の中に攻勢を意識したカードが登場するという点だけ見れば改善の意向と受け取ることができそうです。
 
 
地味に《悪夢再び》にも対応するステータス。《カメンレオン》ともどもネクロバレーとの相性は最悪ですが……
 
 
墓守の祈祷師
星6/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1500
このカードの守備力は、自分の墓地の「墓守」と名のついたモンスターの数×200ポイントアップする。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、「墓守」と名のついたモンスター以外の、墓地で発動する効果モンスターの効果は無効化される。
また、「王家の眠る谷-ネクロバレー」がフィールド上に存在する場合、相手はフィールド魔法カードを発動できず、フィールド魔法カードは相手の効果によっては破壊されない。
 
先ほどちょろっと触れた新規上級モンスターです。
墓地の墓守の枚数に依存するパンプアップ効果、墓地で発動する効果モンスターの効果を止める《ソウルドレイン》的効果、ネクロバレー専用の《フィールドバリア》効果、この3つを内蔵しています。
 
 
《墓守の大神官》を思い起こさせるステータスの上昇ですがこちらは守備力のみが上昇。
2種の永続メタカードを小脇に抱えているだけあって居座る気満々であるといえます。
ただし如何せん素のステータスが貧弱で、《墓守の使徒》からのリクルートを想定しても最低守備力1700、墓地に5枚溜まっていてようやく戦闘に耐えうる数字2500に到達します。
もっとも、《墓守の司令官》あたりの存在も踏まえると案外墓地に溜まりやすくはなっているのかもしれませんが。
 
 
いっそ【ヴェルズ】的発想から《安全地帯》でも良いくらいかもしれません。
ちょうど折良く今度再録されますしね! しかもウルトラで! まあ5000円出しても手に入る確率は1/2なんですけどね!(激怒)
 
 
居座ろうとするだけの性能はあり、特に3つ目の《フィールドバリア》的効果が強力です。
私が去年あたり考えていた【墓守ガスタ】の草案を一蹴するかのような「墓守」限定の縛り回避に時代を感じます。おめーの席ねーから!とでも言われている気分です。それは違うか。
ちなみに《ソウルドレイン》同様《暗黒界の龍神 グラファ》の自己再生効果は阻害しないので要注意。
 
 
何もこのカードに、あるいは【墓守】に限りませんが、こういった書き方をするカードはどこまでミラーマッチを想定したものなのかなあとぼんやり思ったりします。
ちなみに私はビビりなので【暗黒界】ミラーマッチというものをいまだ体験したことがありません(
 
 
《墓守の大神官》もそうでしたが、こうした上級墓守モンスターは《スキルドレイン》との相性がめっぽう悪いです。
巨大なモンスターで蹂躙を狙う【Sinスキドレ墓守】のようなこれまでの構築とは別路線の、まさしく《王家の眠る谷―ネクロバレー》を核としたメタゲーを敷く方向にシフトしている様子がうかがえます。
この点についてはまた別の機会にまとめて考察したいと思っていたりしますが。
 
 
墓守の審神者
星10/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1500
このカードはモンスター3体をリリース、または「墓守」と名のついたモンスター1体をリリースして召喚する事もできる。
このカードが召喚に成功した時、そ の召喚のためにリリースした「墓守」と名のついたモンスターの数まで、以下の効果から選択して発動できる。
●このカードの攻撃力は、その召喚のためにリ リースしたモンスターのレベルの合計×100ポイントアップする。
●相手フィールド上にセットされたモンスターを全て破壊する。
●相手フィールド上の全て のモンスターの攻撃力・守備力は2000ポイントダウンする。
 
スーレア枠消費お疲れ様です^^
 
 
というわけでどうにも嫌われているさにわさんです。生け贄1枚で出せるレベル10モンスターという意味ではそんなに悪くないのではないかなーと思いますが。
相手セットモンスターを破壊もしくは攻撃力ダウンさせたあとにグスタフマックスなりギャラクシーデストロイヤーなりエクシーズして暴れまくれば強いんじゃないんですかね(適当)
 
 
……なんというか他があまりにガチ強化過ぎてこのモンスターくらいしかネタに転用できなさそうな雰囲気なのがとてもつらいです。
外国のイベントで周り外国人しかいなくてつい全く見知らぬ日本人に歩み寄ってしまいたくなってしまうような気分です(意味不明)
 
 
まあ、なんですかね、《ギャラクシー・クイーンズ・ライト》とか?(小学生並みの発想
 
 
ネクロバレーの祭殿
永続魔法
フィールド上に「墓守」と名のついたモンスター及び「王家の眠る谷-ネクロバレー」が存在する場合に発動できる。
このカードがフィールド上に存在する限り、お互いに「墓守」と名のついたモンスター以外のモンスターを特殊召喚できない。
「墓守」と名のついたモンスター及び「王家の眠る谷-ネクロバレー」がフィールド上に存在しない場合、このカードを破壊する。
 
さっきグラファ阻害しないとか言った直後にこれだよ!
ええと、はい。墓守さんはとことん独立独歩ですね。嫌いじゃないですよそういうの(棒読み)
 
 
モンスター及びフィールド、という書き方をするのは初めてなのかなと思います。
墓守モンスター+ネクロバレーで発動し、どちらか片方でもいなくなれば破壊される特殊召喚封じ。
見方によっては《魔法族の里》的な捉え方になるのかもしれません。表側表示で居座ることを要求しているので基本的には先ほどの《墓守の祈祷師》とセットでデザインされているように見えます。
ところで《墓守の巫女》だとどうなのでしょうかね?
 
 
《虚無空間》が流行っている最近なので特殊召喚封じが弱いはずがない!
と言いたいところですが《虚無空間》なりあるいは《昇天の黒角笛》なりが罠カードであるのに対しこちらは思いっきり公開情報の永続魔法、《サイクロン》が3枚積めて《ツイスター》すら復帰しつつある環境で予告済みのパーマネントメタがどこまで機能するものやら。
そもそも《王家の眠る谷―ネクロバレー》自体がかなりそういった魔法罠破壊カードを呼びます。相手の構築にもよりますが、引き合いで不利が生じることは確かではあるはず。
 
 
むしろ《墓守の使徒》での使い回しを想定して軽々しく使い捨てていくくらいでも悪くは無いのかもしれません。
構築段階での採択に左右されることになりそうです。
もちろん相手に割る手段が無ければ非常に強力な拘束力を持つカードではありますので積極的な採用はアリでしょう。
むしろ対抗する側にきちんとメタを用意しておくことが求められているようです。まあ《マクロコスモス》あたりから当然の流れではありましたけど。
 
 
ネクロバレーの王墓
カウンター罠
フィールド上に「墓守」と名のついたモンスター及び「王家の眠る谷-ネクロバレー」が存在する場合に発動できる。
効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。
「ネクロバレーの王墓」は1ターンに1枚しか発動できない。
 
同じく「墓守+ネクロバレー」の布陣を発動条件に求める、こちらはカウンター罠
フィールドとモンスターを同時に揃えるというのはある意味で非常に「話がウマイ」状況であり、さも当然のように想定できる状況ではありません。
ネクロバレー張ってて祈祷師が立っていて祭壇置いてあってその脇に返しを封じるカウンター罠も設置して、って……そりゃあ強いに決まってんだろうが!という話です。
このあたり【パーミッション】全体に共通して言えるジレンマではあるのかもしれませんが。
 
 
最盛期の【代行天使】にも《神罰》が入っていなかったのでどうなのかなーと怪しいところではありますが、あちらの《天空の聖域》と比べるとこちらのネクロバレーの役割は段違いに大きいわけです。
端的に言って【代行】は聖域無しでも余裕でやっていけますが【墓守】はネクロバレー無しでは到底戦線を維持できません。
必須パーツの脇にセットで置いておくことが見込める、それもかなりのカードを止められるカウンター罠という点においてなかなか異質であるように思われます。
フィールド1枚にここまで依存するものなのか。
 
 
こちらもまた《墓守の使徒》により回収が容易ですが、このカードを使った(=墓守が表側で立っていた)後にリバースした使徒が破壊される(最低でも一度裏守備になっている)、という流れはかなり尺を取らないと想定が難しいです。
どこまでそのような悠長が許されたものなのかどうにも怪しい感じです。他のいくつかのテーマと違って【墓守】には召喚権を増やすカードも来ていないので。いや来ていたらたまったものじゃないんですけども。
 
 
やはりどうしても【祇園墓守】を思い出します。
このデッキは【墓守】に《冥王竜ヴァンダルギオン》と大量のカウンター罠を投入したパーミッションデッキで、確か2008年ごろ一度大きな大会で優勝したことで話題になっていました。
《不幸を告げる黒猫》の罠サーチ効果を最大限利用できる強みに驚かされたものです。
 
 
ちなみに探してみたところレシピが残っていました→ こちら
今見直しても魔法6枚のストイックさにグッときます。まあ《地砕き》あたりには大いに時代を感じますが。
 
 
 
○総評
 
《王家の眠る谷―ネクロバレー》の拘束能力にとことん追従し、あくまでもじっくりと腰を据えて相手のカードを潰していく、というスタイルに向かっていくような印象を受けます。
ネクロバレーが刺さるデッキ自体がかなりの数あり、それだけ影響力の強いカードをデッキを上げてサポートしていくという考え方は、シンプルながらもメタゲーの基礎を抑えているのかなというところです。
 
 
総じて相当いやらしい場を作っていくデッキになったものだなあと思います。
ギミックぶん回してワンキル、というのとどちらが酷いものなのかは人によるでしょうけれども。
 
 
それで私のキャラデッキはどこへ行くのかなーと(遠い目(どうでもいい