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【遊戯王】150101改訂「大嵐と羽根帚」

お久しぶりですあらためです。
制限改訂記事は、今後の展望とかこれまでの状況の振り返りとか、そういった考察を交えつつやりたかったのですが、ちょっとどうも言いたいことがあったので単体で話題にします。
基本的には戯言かつ愚痴です。いつも通りか。荒れ気味なのでご注意ください。
 
 


 
 
 
エラッタ緩和に疑問符が浮きまくったり(混沌帝龍ってなんだよお前)、ネクロス包囲網によってデッキがいくつも潰されたり(ルイン、フレイムロード、要塞クジラetc)したわけですが、まあ正直そんなことよりもっと重大な問題がありました。
言わずもがな、ネット上でも大荒れとなっている《大嵐》と《ハーピィの羽根帚》の交換です。
 
 
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あらかじめ強調しておきたいのですが、私は「羽根帚が緩和されること」自体に特に異論はありません。
改訂の情報をちらほらと聞いた時、最初に持ったのは「サンダーボルトより先なんだ、ふーん」程度の感想でした。
確かに大嵐と羽根帚の2枚体制になったら伏せがぺらぺら吹っ飛び何のゲームをしているやらという状態にもなりかねないのでしょうが、しかしまあ、理屈だけは通っている。「今の環境は魔法罠が行動を縛り過ぎている。サイク3に加えてその他の除去を追加しても足りない」という判断がなされるならば(その真偽はともかくとして)、まあいっそ対魔法罠最終兵器の封印を解いてしまえという結論に至るのも、まあわからないわけではない。
 
 
逆に、「大嵐が禁止になること」自体にも私は疑問を持ちません。
これは上記と反対のロジックによって決定される内容です。「伏せの読み合いで戦うべきである、魔法罠なんか放っておいてもじゅうぶんな除去が跋扈している、思考停止のぶっぱなしは良くない」と判断したのであれば大嵐のスペックは充分に禁止に匹敵するものとなり得るでしょう。
実際自分も夏の改訂で大嵐が怪しいかなーとか言っていた気がします。【シャドール】が一強的に大嵐を強く使えていた時期です。最近では【影霊依】があまり罠を積まないと聞くので、言われてみればもしかしたらまた大嵐の価値が偏ってきてしまっているのかなあ、という納得ができないでもない。
 
 
しかし「大嵐と羽根帚の交換」だけは意味がわからない。
 
 
というのも、上述の通り「大嵐を禁止にすること」と「羽根帚を緩和すること」とは、まったくもって相反するロジックから選択される結論だからです。
しかもこの両者には顕著な差別化の要因、少なくともトーナメントシーンにおいて重要視されるレベルでの性質の差は無い。
言ってしまえば 「羽根帚>>>大嵐」 と一般的には言えるわけです。自分のリビデとか割って展開してた人もここにいますけどね
その役割に相違は無い。わざわざ取り替える意味は、ゲームシステム上、見出されない。
 
 
ここで思い出されるのは、数年前の「死者蘇生⇔早すぎた埋葬」現象かなと思われます。
かつては「蘇生>>>早埋葬」であり蘇生だけが禁止カードとなっていた、それが、ブリューナクらの登場から一転、装備魔法であり使い回すことができサーチも利くという性能の差がこの優劣関係をひっくり返し、ついには「早すぎた埋葬は禁止、死者蘇生は制限」という逆転にまで至ったという。
上位互換と思われていたものが制限に、下位互換を思われていたものが禁止に行くという構図自体は、今回の「大嵐⇔羽根帚」と共通しているといえます。
 
 
しかし大嵐には、早すぎた埋葬が蘇生に対して持っていたような性能的アドバンテージは、ほぼ無いと言っていい。
自分のカードを割るコンボやデッキギミックは確かにある。だがそれはどうしても重箱の隅を突くような言及になってしまう。トーナメントシーンで顕著に活躍するほどのものではない。
環境にいるデッキではおそらく唯一、【クリフォート】においてトランポリンクスを使わずともss制限を解除できる、というメリットがあったのですが、その程度です。
 
 
理屈の面では完全に意味不明です。
ただでさえ性能だけで言っても上を行っている羽根帚は、カードプールの変遷からサーチまで利くようになってしまっているのです。
そんなものを差し置いて大嵐が禁止に身を引く意味は無い。思考停止ぶっぱカードが2枚も暴れてしまうのが困る、というならそもそも羽根帚なんか緩和しなくて良い。
 
 
公式が、公認大会で適用されるリミットレギュレーションにおいてカードの使用を禁止にするということは、そもそもそのカードを使った構築の発想自体を取り上げてしまうということです。
しかし大嵐は、自分の魔法罠展開とケンカする、という明確なデメリットを抱えています。それが嫌だなという人はそもそも言われるまでも無くこのカードを使わない。
 
 
それでもこの改訂は、羽根帚を制限に、大嵐を禁止に、と決定している。
なぜそんなメチャクチャな理屈が通るのか。何がしたくてあんなリストになるのか。
 
 
制限改訂に「なぜ、どうして」と問うこと自体に意味があるかといえば怪しいものです。私たちは公式の商品を購買し公式が定めたルールの下でゲームを行うプレイヤーなわけで、お上の決定に文句を言ってもどうしようもない。
ただ、欲しいのは納得です。カードの使用を不能に追い遣っているのですから、言ってしまえば説明責任があります。まさかなんとなくで決めているわけではなかろうと。
遊戯王ではこの説明が滅多になされないせいで、プレイヤーの側から憶測するしかないということになります。少なくとも私がこういったタイミングに妄想を重ねるのはそのためです。
 
 
話がそれましたが、事実として、羽根帚と大嵐の交換は起きてしまった。
このことによって何が変わるのか?
 
 
大嵐は非常に普及したメジャーな魔法罠対策カードです。使用率がとても高く、多くのデッキに入っていたいわゆる「必須パーツ」です(この言い方も古いな……)。
ほとんどのプレイヤーが使っていたカード、それが使用不能になる。これではどうやってあの魔法罠に対抗すればよいのだ、と、多くの人が思う。非常に多くの人が代わりのカードを必要とする。
代わりに与えられるのはより凶悪な性能を持つハーピィの羽根帚。しかしこれは何年も前のカードで、そうでなくとも長らく禁止にいたカードで、絶版にして入手も難しい。
 
 
見え透いた結論を今更言うのもバカバカしいですが、このタイミングで羽根帚再録すれば売れますよね、そりゃ。
 
 
自分で不全を作っておいて自分でその代用品を作って売れるんなら世話ねーわなっていう話です。
ぶっちゃけこれは今回の改訂において嵐羽根帚以外の部分にも散見される要素なのですが。
何様のつもりですか。
 
 
先にも書いた通り、「ゲームシステム上は」大嵐と羽根帚を交換する意味はありません。
ゲームシステム外の要因でしかこの交換は成立し得ません。
ゲームシステムを差し置いてまでどうしても売らなければならないカードかというと「ほぼ」疑問です。
(わたし孔雀舞さんだいすき!だから羽根帚はどうしても使いたかったんだあ!っていう方がいらっしゃるかもしれませんので。。)
確かに遊戯王を代表する知名度を持ったカードであり、他の禁止カードと比べればまだ華のある存在です。しかしそれだけのために目に余る優遇を施して明らかな下位互換を禁止に追い込んでプレイヤーに購買を迫りプレイングに影響を与えるのか?
 
 
どうも今年、15周年だからという理由でコナミはやたらと色々なことをしでかしてきたようです。
でもそんな数値は何の意味も持ちません。あんたら10周年の時何やったよ。
無闇なマーケティングのためだけにアニバーサリーを利用することは遊戯王という作品に対する冒涜ですらあるように思えますが、それを公式がやっているとなるとなんとも虚しい。
 
 
よく揶揄されますが、コナミが公式に掲げている「制限・禁止」の判断基準が以下です。
 
● ゲームバランスを維持し、遊戯王OCG全体の活性化を促すプレイ環境を作り出す事
● デッキの選択肢やプレーの幅を広げる事
● デュエルの駆け引きの要素が激減するようなカード・コンボへの一定の規制
● プレイヤーが一方的に有利になる状況を作り出すカードへの一定の規制
● 現状の環境下ではプレイヤーが対処・対策がしづらいカードについての一定の規制
● デュエルの進行に支障をきたすようなカードへの一定の規制
● 大会での使用を考慮した際に、規制をかけるべきと判断されるカードへの規制
 
この基準ではどうあがいたって大嵐>>>羽根帚とはならないはずなのですが。
 
 
コナミは、「リミットレギュレーションは大会で使う目安ってだけで、皆さん独自に制限決めて遊んでいいんっすよー」というスタンスをとっていて、それは決して間違いではない、禁止カードなんてほんとは無いのだという主張そのものには特に問題は無い。
しかしだからといって公認大会で使うリストを適当にして良いわけでは有り得ない。
公式が、プレイヤーには逆らい得ない決定をくだしているのだという、その重大さを自覚しているのか甚だ疑問でしかありません。
プレイヤーを、公式の大会を、ゲームそのものを、あまりにも軽んじているようにさえ思える。
 
 
今回の改訂で、多くの人が、このトピックについて感想やリアクションを出されています。
しかし私が気になるのはやはり、目先の話、大嵐が使えないだ羽根帚持ってないだ、とかではなく、そんなことよりよほど、コナミの態度そのもののほうであるわけです。
先にも述べた通り社員でも株主でもないイチ消費者の身分が企業に対してどうこう言っても何も変わらないわけですが、しかしそんないい加減な判断基準、ゲームを軽んじた態度で運営されているようなところには、そう長く居続けたいとは思えないのが道理でしょう。
あまりにも改善されないのであれば、ただ黙って去るだけのことです。
 
 
 

 
 
おまけ
 
 
今回の話とは全然関係ないのですが、気付いてしまったので。
 
 
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まさか……ね?