悠久フィロソフィー

今ここから 改めますか

【遊戯王】「シルクハットとブラックボックス」

他愛のない雑談です。軽く聞き流していただければと思います。






昨晩知人とスカイプをしていた時、「どうもコナミの裁量は色々と不透明すぎる」という話になりました。
その一例として私が挙げたのが《マジカルシルクハット》というカード。


イメージ 1


「デッキから魔法・罠を特殊召喚する」という、他に類を見ない特異な効果で知られるカードです。
様々なコンボや戦略に使用できることでおなじみの存在といえるでしょうか。


このカードを使った一種ジョークのようなプレイングとして、特殊召喚した魔法・罠カードをモンスターの状態で維持する』という発想がありました。
シルクハットで特殊召喚したカードには「バトルフェイズ終了時にシルクハットの効果で破壊される」制約が伴います。
すなわち、何らかの方法でこの破壊を免れることによって場にモンスター扱いの魔法罠カードを残すことができるという考えです。


実際に取られた手段の一例としては

・《ゴーストリック・アウト》によって裏側守備表示モンスターに対する効果破壊耐性を付与する
・《攻撃の無敵化》によってバトルフェイズ中の破壊耐性を付与する
・《聖なる輝き》+《DNA改造手術》+《アンデット・スカル・デーモン》で破壊耐性を付与する
・《閃光弾》でエンドフェイズに移行することでバトルフェイズ終了のタイミングをスキップする

等が挙げられます(他にもまだまだあると思われます)。


実際にプレイしている例もありますので、参考までに。

 →参考動画1 「[ Dark Duelist Battle ] seasonII part5」: http://www.nicovideo.jp/watch/sm20407111 
 →参考動画2 「デュエルよろずや #28」: http://www.nicovideo.jp/watch/sm24380190 
 →参考動画3 「ディアンケトビート」: http://www.nicovideo.jp/watch/sm21758863 


私自身もこのアイディアを利用したコンボや小ネタをいくつか考えていたこともありました。
概ね形にならずお蔵入りしましたが






しかし、ある時期を境に事情が変わります。
コナミが、「シルクハットで出した魔法罠カードはどのような手段を用いてもバトルフェイズ終了時に破壊される」ことを徹底する方針へと切り替わったタイミングがあったのです。


私が裁定メールをもらったのは昨年11月29日のことでした。今でもメール本文が残っています。
コピペすると、


Q.
相手ターンのバトルフェイズ中に「マジカルシルクハット」を発動し、デッキから「アビスフィアー」2枚をモンスター扱いとして特殊召喚しました。
この「アビスフィアー」の1枚を対象に「攻撃の無敵化」を発動し、戦闘及び効果によって破壊されない効果を選択し、セット状態のまま自分のターンを迎えました。
この「アビスフィアー」を反転召喚した場合、自分は魔法カードを使用することができなくなりますか?
A.
「マジカルシルクハット」の効果が適用されたカードは、バトルフェイズ終了時に必ず破壊され、その後のフェイズ中フィールド上に残り続けることはありません。
したがって、「攻撃の無敵化」を発動しても、「アビスフィアー」は破壊されます。

Q.
自分フィールド上に「アンデット・スカル・デーモン」が存在し、「アンデットワールド」と「聖なる輝き」が発動している時、「マジカルシルクハット」を発動し、デッキから魔法・罠カードをモンスター扱いとして特殊召喚しました。
この時、「マジカルシルクハット」で特殊召喚したカードはバトルフェイズ終了時に破壊されますか?
A.
「アンデットワールド」の効果が適用中に「マジカルシルクハット」の効果で魔法・罠カードを特殊召喚した場合、それらのカードはアンデット族として扱われますが、「マジカルシルクハット」の効果も適用されていますので、バトルフェイズ終了時に破壊されます。

Q.
「聖なる輝き」が発動している時、「マジカルシルクハット」で「宮廷のしきたり」と「ゴーストリック・ロールシフト」をモンスター扱いとして特殊召喚しました。
この時、バトルフェイズ終了時に「ゴーストリック・ロールシフト」は破壊されますか?
また、「ゴーストリック・アウト」を発動した場合、どのような処理を行いますか?
A.
「マジカルシルクハット」の効果が適用されているカードは、バトルフェイズ終了時に破壊されます。
したがって、「ゴーストリック・アウト」を発動しても、バトルフェイズ終了時に破壊されます。


といった文面でした(すべて14/11/29付裁定)。
この段階で既に、「どのような手段を用いても関係なく影響なくとにかく破壊は確実に遂行される」という方針が見て取れるようにも思われます。


これ以降、他にも折に触れて数名の方が同様に裁定の確認を行ったようでした。
その結果は一律に「維持は不可能、確実に破壊される」とのこと。
もちろんその質問のすべてを私が網羅しているわけではありませんが、少なくとも私の知る限りで、この期間に「維持が可能」という裁定が出たというお話は聞きませんでした。


そして1年が経ち、先日「ミレニアムボックス」が発売されました。
ここに《マジカルシルクハット》が再録されています。
そのテキストがこちら。


マジカルシルクハット
通常罠
(1):相手バトルフェイズに発動できる。
デッキから魔法・罠カード2枚を選び、そのカード2枚を通常モンスターカード扱い(攻/守0)として、自分フィールドのモンスター1体と合わせてシャッフルして裏側守備表示でセットする。
この効果でデッキから特殊召喚したカードはバトルフェイズの間しか存在できず、バトルフェイズ終了時に破壊される。


先のカード画像と見比べてみればわかりますが、「バトルフェイズの間しか存在できない」という一文が加えられています。
これにより「どのような手段を使ってもバトルフェイズ以降に魔法罠カードをモンスターの状態で維持することができない」ことが明文化されたというわけです。


もちろんこれは紛れもない「エラッタ」です。
多少大げさに言えば「ルール改正」の一環であるともいえます。
それが行われること自体には納得できますし、自然な道理であると思います。版元であるところのコナミ側に何か判断の意図があり、それに基づいてルール調整がなされた、という、ただそれだけのことです。


ではなぜそれが公開されていなかったのか?


先の通り、どこかで「シルクハットで出したカードは確実に維持が不可能である」という方針に切り替わったタイミングがあったはずです。
にも関わらず、9期版のテキストが発行されるまでこの裁定は公にされてこなかった。
カードに書かれていないことは版元に処理を委ねるしかないのが遊戯王のシステムです。であれば、そのような曖昧な部分は可能な限り潰されるべきであり、何か変更が発生した際にはその都度アナウンスがなされるべきである。
こうしたカードのジャッジ如何で勝敗に影響することだって無いとも言い切れないわけですからね。


しかしシルクハットに関しては裁定変更どころか今回のエラッタに関する告知すら行われていなかった。
このエラッタはただ人知れず、こっそりと、重大な一文をオマケのように追加して素知らぬ顔をしているような状態であるようにすら思われました。

※もちろん、どこかでこうしたアナウンスがあったのかもしれず、それを私が見落としていただけという可能性も否定できませんので、もし情報があったということであればご一報いただければ幸いです。





正直、私は先の通りスカイプで雑談をする中でテキストを確認するまでこのエラッタを知りませんでした。
それはもちろんミレニアムボックスという商品を買っていないためであり、最新版テキストの《マジカルシルクハット》を実際に見たり取り扱ったりしたことがなかったためといえばそれまでです。
ですが、それだけのために今後もこのエラッタを知らずにいたのかもしれないと思うと、この可能性は否定できません。


元々の文脈は「コナミの裁量は不透明すぎる」ということでした。
要するに裏方の経緯や判断基準がまるでもって見えてこない、それを知る窓口も無い、ルール調整が完全にブラックボックスになってしまっている。
そんな印象を受けるという話でありました。
奇しくもそれをより一層強調する結果になってしまったような気がします。《マジカルシルクハット》ってのがまた皮肉ですね


もちろん決定事項をいちいちその都度事細かに報告せよと、イチ消費者がえらそうな顔をして命ずることはできません。そんなことをしていてはクレーマーも同じです。
だいたいが《マジカルシルクハット》なぞ、公認大会でも見かけることの無いような、物好きが使うカードといえばそれまでの話です。大筋に関係が無いと判断されても仕方が無いのかもしれません。
しかし、カードに書かれていない部分に情報が多すぎるゲームにおいて、そういったこちらの預かり知らない部分に何か変更が加えられたのであれば、それはどうかきちんと知らせておいてくれないかな、と、ただ思うばかりなのです。


ちなみに本音を言うとだいぶ穿った見方になりますが、何をしてもバレない・言及されない立場に胡坐をかいて適当に粗雑な管理をしているのであれば、それはふざけるなという話です。ユーザーを舐めるな。
失態が露呈するのが嫌だというならもっとちゃんと考えて商品を作れというだけの話です。






コナミの「不透明さ」が最も顕著に出てくるのが「制限改訂」であると私個人は思っているわけですが、これがまた今月中旬に公開されることとなっています。
どのような根拠から、どのような状態を目指して、どのような改訂をするのか。
件の「大嵐と羽根帚」問題(過去記事参照)から早くも1年が経とうとしていますが、今後どうなるのか、どうにも不安が先行する心地があります。


何もかもあけっぴろげにしてしまえというのではありません。ある程度の機密性はあって然るべきと思いますし、こちらも裁定メールでそういった部分を少しずつ暴いていくのが楽しかったりします(歪んだ発想)
ただ、勝手なことをされるにしては、その影響が看過できない感じになってきたような気がするのです。
上手く付き合っていきたい部分ではあります。


何か情報をきちんと発信してくれる窓口のようなものがあればなあ、とも思うわけですが、「公式」のツイッターアカウントがあんなどうでもいいツイートしかしていない現状を見ていると、とても叶わないことなのだろうか、とも思ってしまいます。
はっきりさせておくに越したことは無い部分だと思うのですけれどもね。






○余談



( ^o^)シルクハットはミレニアムボックスで9期テキストになったのか!

( ˘⊖˘) 。o(待てよ?「決闘王の記憶 決闘都市編」でも再録されてなかったか?)

|遊戯王Wiki|┗(☋` )┓三


イメージ 2


( ◠‿◠ )☛そこに気づいたか・・・消えてもらおう

▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂うわああああああ




センター日本史のひっかけ問題じゃあないんだからさ……