悠久フィロソフィー

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雑記「勉強の仕方」 (『遊戯王☆カード検索』閉鎖によせて)

明けましておめでとうございます。
年数回程度しか投稿しない恐るべき低頻度更新の怠惰ブログでも限られた執筆タイミングを上手く正月にあてがうことでさも時節を読んで記事を作っているかのような振る舞いができますね。
それは気のせいじゃないかな


2019年1月1日は自分が遊戯王に参加する上でひとつ大きな節目となりました。
長年活用させていただいたサイト『遊戯王☆カード検索』の閉鎖です。


今更語るべくもなく近年の遊戯王には一時期以前に見られなかった顕著な特徴があります。
「情報の更新頻度」と「取り扱われる内容の汎用化」と勝手に括ってみます。
前者はエキスパンションや構築済みデッキのリリーススピードがどこかの劣悪なブログと違って大変に高回転であること、後者はカードの効果デザイン自体がより多くの戦略・カードに触れる傾向にあることといえるでしょうか。
次々と休みなく新規カードが登場してくるならば、カードプール全体で見て取り扱われる内容がより広範になっていくのも、自明といえば自明ですが。


それらの是非はさておき、そんな中にあって良質なデータベースの需要は当然高まります。
ハイペースで公開される新情報を余さず網羅することは個人の営みの中で限度がありますし、当初必要でないと流していたものを後々ピンポイントに見返したくなることもあれば、緩い条件指定をするテキストのその射程内にあるカードを確認せずには何の使い道も考えられなかったりします。
掲載された記述に間違い無く、発売されるタイトルごとに取りまとめられており、それらを特定条件の設定によって抽出することができる。
カードゲームに参加するにあたり、自然と想定されるインフラであると思います。得てしてそういうものは、本来有り得ない多大な恩恵であるものです。つまり此度失われたものというのはそういった存在の一であるという話。
特に、あくまでテキストの文面主体で概観できることが助けになっていました。


もちろん知識というわけですので頭の中に入っているに越したことはありません。
ただ、脳内カードプールを想起し漁っていくことはプレイヤーのスキルとして大切なこととしても、あくまでその前提にあるのは、無機質で一次的なカードのテキスト群です。
膨大なデータの中から機械的に検索をかけて一覧表示させられるということには、ただ単にカードの知識をアウトソーシングしておくだけのこと以上の重要な役目があります。
知識の前提となること。つまりお勉強。


脱線するようですが、遊戯王プレイヤーの層にはグラデーションがあり、そのカラーに応じて必要な情報も異なってきます。
私見で雑な括りになりますが、トーナメントプレイヤーであれば環境に存在するメタについて、テーマデッキ中心の使用者であればそのカテゴリの周辺、もしくは関連するアニメ・漫画のキャラクター周辺のカードについて把握していれば、最低限それらしく立ち回っていけるように考えられます。そうでなくとも、新弾を買う、身内に使われる、ショップで眺める、自分が目にする範囲のカードで充足している層は大半と思われます。
特に詳細な資料無しに動けない(厳密には、詳細な資料があることで格段と動きやすくなる)向きとして、トーナメントシーンでの星取りよりも、デザイン通りのプレイングよりも、通常見かけることのないようなコンボやギミックの構築・考案を主たる楽しみとしてプレイしている層というのがおり、
(あまつさえ自分はそこにいるつもりでおります。)
ここが最もデータを渇望していた人々になるのだろうというのは、帰結としてわかりやすいと思います。


先に「勉強」と言ってみたのは基本的にこの連中にとっての行為を指します。
何か目当てがあって、調べる。
特定の数値が必要で、調べる。


「☆3・光属性・ドラゴン族」に該当するモンスターがこんにち1枚しか存在しないことをご存知でしょうか。
例えばまあそんな感じの知見を得る。


遊戯王物好き層が勉強する方法にはいくつかあると思っていて、その一つがやはり検索行為に他ならないのだろうというところで、しかもそれは極力都合を絞った濾過済みの結論をビシバシ叩き出していくのではなく、むしろ反対に、できるだけざっくりと、フォーカスをぼかした、清濁混ざる検索結果を眺めることなのではないかと、個人的には長年考えてやみません。
【着想を得るには、自分が思いもしなかった存在と、無作為に遭遇する必要がある。】
本来はストレージ閲覧の勧めの際に掲げる文句ではありますが、検索に際しても同じようなことが提唱できます。
閉じた輪の中で新しいものを見出すのは困難です。これは遊戯王に限った話でもないと思います。


要するにはそういう場が一つ潰えてしまったのが、残念であるとともに、先行き不安である、ということです。


『カード検索』に準ずる存在はいくつかあります。
筆頭は、閉鎖に際して名指しで挙げられていた公式データベースでしょうか。今回このボヤキを書くにあたり久々にアクセスしましたが、正直驚くほど整備されていたと思います。
効果分類で括れないことを除けば、ほとんど遜色無い検索メニューが揃っており、近い感覚で使えると感じました。何よりも公式による(担保する先のある)リリースという点が重要。逆にそれが翻って、未発売カードについて扱われないのがやや物足りなくなることはありそうですが。
その他に個人更新のページで似たアクションを図る様子を見たこともありますし、テキスト抽出の性能は本意でないとしても遊戯王Wikiが健在だったりもします。
近しいツールに切り替えていくほかありません。


以下は余談です。


『カード検索』の特色の一つだった「相場変動状況」について自分はほとんど使用していなかったため今後求めることもありません。カードの通販をしないので。また、ネット上で付く値段が現実にショップ価格の参考になるとも思わないので。
時折あの折れ線グラフを得意気に取り沙汰し、あまりに極端な例が出現すると騒ぎ立てるような向きも見られましたが、今後それが多少落ち着くのであれば、と思ってやや前向きになれる心地です。


当該サイトの管理人様は遊戯王を全然プレイしないというお話を見かけ、最後に膝を打ちました。
中立なポジションからの更新というものはやはり貴重かつ重要であると思い、特に前項のようにリアルマネーにも多少影響するような内容となると、一歩引いた視点からの私情を汲まない運営が望ましくもなるのかなと、また事実それで円滑に利用できていたのだろうかと。
これはただの愚痴ですが、遊戯王という界隈において【何か話題を作ろうとする】結果何故か【大したこともないものをただ声高に騒ぐだけ】になる傾向があって、それが素直に不愉快だったので、(閲覧が増えてきたらこの行は消します)
淡々と更新してもらえるに越したことはないなあというのが率直な感想です。今後実現する見込みが極端に望めず、特に惜しいポイント。


デッキ検索は途中から見なくなったのでそれほど痛手でもないです。
おおよそツイッターの普及と入れ替わりになったのではなかろうか。


最後に、この度閉鎖となった直接の原因が『更新ペースの維持が困難になったため』であったことは努々考えられるべき部分だと思いました。
自分も社会人となって使える時間が限られていく中で、やはり情報を追うこと自体に難儀するようになったと感じています。
更新頻度が高いことはコンテンツの充実として要点ではあります。にしても限度があると思うよ


何にせよ長らくお世話になりました。





追記

本文中言いそびれましたが、本年もよろしくお願いいいたします。
2年連続で年2回更新になっているので今年こそはもう少し中身を伴わせたいです。最近ツイッター居心地悪いので

こんなページでも今年で11年目です。ほどほどに大事にしてまいりますので、適度に見ていただけますと幸いです。