悠久フィロソフィー

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マジック・ジャマー

考察対象:マジック・ジャマー


マジック・ジャマー カウンター罠
手札を1枚捨てる。魔法カードの発動を無効にし、それを破壊する。


カウンター罠カードの最古参のひとつ。
実に単純な効果。

手札1枚を引き換えに相手魔法カードを破壊する。
常識的に考えて魔法カードの入っていないデッキはないので、この効果は多くの相手に対して効果を持つ。
魔法カードの全体的な用途からして、主な使い方としてはロック破りの阻止やモンスター破壊の阻止ということになる。
制限カードの『大嵐』などを無効にできると大きい。

汎用性はあるものの、しかし、入るデッキはかなり限られる。
理由は主に三つ。

一つ目としては、このカードのために割くスロットがあるかどうか、ということ。
カードの優先順位を考えれば、受身的なこのカードは後手後手になる。
多くの場合、魔法カードを無効にしたからといって優位が確実なものになるとは限らない。
本当に無効にすべき魔法カードが確定しているならばまだしも、このカードの存在はそこまで重要ではない。
手札コストが1枚というのも、シンプルながら、厄介なコストである。

二つ目には他のカウンターカードの存在がある。
『神の宣告』『魔宮の賄賂』の二大カウンター巨頭ならば魔法以外のカードにも対応している。
『封魔の呪印』は手札コストがより厳しいもののピンポイントで狙う場合には役立ち、『六式対魔法多重結界』なら状況に応じて効果を選べる。ロック破り魔法の対策ならば『アヌビスの裁き』のほうが強力。
さらには、不確定ながら手札コストを必要としない『マジック・ドレイン』の存在もある。
『マジック・ジャマー』自体がかなりシンプルな効果であるために、付属効果のあるカードと比べるとどうしても見劣りしてしまう。
またカウンター罠カード外でも敵は多く、『ツイスター』『魔法効果の矢』がかなり圧力をかけてきている。

三つ目、魔法カード無効の意義。
最近の環境では、魔法カードよりもむしろモンスター効果のほうが強烈である。
このカードで魔法を無効にしても、果たしてどれほどの損失を課すことができるか。
確かに魔法無効による恩恵はある場合もあるが、もたもたしているとこのカード自体が『裁きの龍』なり『ダーク・アームド・ドラゴン』なりに破壊されてしまう。
このカードだけに限った話ではないが、フリーチェーンでない伏せカードはもはや割られるものと思っていいのかもしれない。

さんざんと悪評ばかり並べたものの、『未来融合―フューチャーフュージョン』や『巨大化』などを無効にすればそれなりに相手の計算を狂わせることができるはず。
何分、確実に無効化できるのだから。
サイドデッキに忍ばせておいたり、パーミッション系統のデッキでなら使える余地はある。
……きっと。

ちなみに『ライトニング・ボルテックス』などを無効にした場合は2:2交換となり無駄を軽減できる。
使う人は気休めに覚えておくといいかも。

マジック・ジャマー。
『ジャマー』とは『Jammer』すなわち『妨害するもの』を意味する。
決して『邪魔ー』ではないので注意。
低年齢層にはたまにこの間違いがある。

少々『六芒星の呪縛』に似ているような紋様が描かれている。
方陣か何かの象徴だろうか。
マジック・ジャマーといっても、機器ではなくスキル系統のようである。

ちなみに、私的『カウンター最古参』はあと『神の宣告』『昇天の角笛』『盗賊の七つ道具』である。
大昔、まだ種類の少なかったころ、これらはかなり孤立していた。
そういう意味では懐かしさのあるカードかもしれない。
今となっては言葉もないが。