悠久フィロソフィー

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天罰

考察対象:天罰


天罰 カウンター罠
手札を1枚捨てる。効果モンスターの発動と効果を無効にし、そのモンスターを破壊する。


手札コスト1枚を捨てて発動するカウンターカード。
モンスターの効果を無効にする。

効果モンスターの効果であれば何であってもほぼ確実に無効化できるため、そのスペックは驚くほど多岐に渡って効果を及ぼす。
『裁きの龍』『ダーク・アームド・ドラゴン』などの主流破壊モンスター、『ブラック・ローズ・ドラゴン』『スターダスト・ドラゴン』などのシンクロ効果モンスター、『ゴブリンゾンビ』『クリッター』などのサーチャー、『キラー・トマト』『見習い魔術師』などのリクルーター、さらには『ヴァンパイア・ロード』『ネフティスの鳳凰神』などの自己再生モンスター、『クリボー』『バスター・ビースト』などの手札から発動する効果、『ネクロ・ガードナー』『馬頭鬼』などの墓地で発動する効果、エトセトラ……
とにかく、あらゆる効果を潰すことができる。

効果を無効にするだけでなく、その効果を使用したモンスターを破壊するのがポイント。
手札1枚と引き換えに相手主力モンスターを破壊できうる防御性能はかなり強いところがある。

『死霊騎士デスカリバー・ナイト』ともども、効果モンスターの効果を封じる稀有な存在。
そのため、近年のモンスター効果インフレの中で採用率が上がってきている。

ほとんどの効果を無効にできるが、中にはもちろん無効にできない効果もある。
以下、その具体例。

・永続効果
効果を『発動』することのない『人造人間―サイコ・ショッカー』『虚無魔人』などは破壊不可能。
また、『ダークネス・デストロイヤー』『サイバー・エンド・ドラゴン』などの貫通効果や複数回攻撃効果もここに分類され、無効化できない。
珍しい例ながら、墓地で永続的に発動される『幻獣クロスウィング』も無効不可。

・召喚ルール効果
つまり『サイバー・ドラゴン』などの特殊召喚や『神獣王バルバロス』などの妥協召喚。
これも効果を発動しているわけではないので無効にはできない。

・融合代用効果
『破壊神ヴァサーゴ』『融合呪印生物―地』など。
上に同じく。
『沼地の魔神王』は、サーチ効果は無効にされるものの代用効果は無効にならない。

・生け贄代用効果
『ジェルエンデュオ』『ダブルコストン』など。
上に同じく。
一応『ジェルエンデュオ』の自壊効果を無効にすることはできる。
どのみち破壊されるわけだが。

・同名扱い効果
『ハーピィ・クィーン』『ハーピィ・レディ・SB』など。
永続効果に近いところがあるかもしれない。
ただし『ハーピィ・クィーン』のサーチ効果は無効になりうる。

・勝利条件効果
『封印されしエクゾディア』『毒蛇神ヴェノミナーガ』の2枚。
勝利効果は発動した瞬間にすべてを終わらせるため。
考え方としては、チェーンが組めない効果をとればいいかもしれない。

・魔法・罠化効果
『トイ・マジシャン』のセット効果や『宝玉獣』シリーズの永続魔法化効果。
特殊な例ながら、発動も何もしていないため。

・罠モンスター
『死霊ゾーマ』のバーン効果、『機動砦 ストロング・ホールド』の攻撃力上昇。
これらは『効果モンスター』ではないため、このカードの効果が適用できない。

また、無効にできなくはないものの『不死武士』『黄泉ガエル』は無効にしても意味が無い。
これらの効果発動条件は『墓地に存在すること』であり、破壊したところで墓地に存在することには変わりないためである。
しかし、『フィールド上で破壊されること』が条件の『ヴァンパイア・ロード』『ネフティスの鳳凰神』は無力化できる。

以上のように、一部を除きおよそ全ての効果モンスターを無効・破壊できることは強い。
しかし、そのために手札1枚を要求する。
これが意外とネックになる。
相手モンスターの効果がいきなり飛んできて、手札に捨てるカードを温存できていなかった場合は自分にもロスが大きい。
『帝』ならばまだしも、普通のレベル4以下のモンスター効果に対して発動すると純粋に手札1枚分の損をする。

よって、デッキを選ぶハイスペックカードということになる。
墓地利用がたやすい【アンデット族】【植物族】などならば手札1枚程度特に苦にはならないが、普通のデッキではこのカードを安易に発動することによるアドバンテージの差が響くこともままある。
『豊穣のアルテミス』を採用してあれば問題ないが、それでも過信は危うい。

結果的には、『神の宣告』とはまた違う意味で発動タイミングの見極めが難しいカードということになる。
効果モンスターの能力は爆発的に強くなっているため、本当に重要な場面でカウンターできるようにしておきたい。

難しい効果なので使う際には事前の予習が大事。
『光と闇の龍』といい『死霊騎士デスカリバーナイト』といい、効果モンスターの無力化は何かと厄介である。

考えようによっては、『畳返し』『ツバメ返し』などの上位互換ともとれる。
手札コスト1枚がつくだけでここまで違うものである。

天罰。
天が下す罰。悪事に対する自然の報い。(Yahoo!辞書より)
効果モンスターの効果発動はそこまで悪いことなのだろうか?

この『天罰』という単語を『裁き』と言いかえることができなくもない。
そうなるとHN的に私は非常に苦しくなる。

イラストでは『キャノン・ソルジャー』が天からの一撃を喰らっている。
バーン効果を使おうとしたところか。
『キャノン・ソルジャー』もなかなか多くイラストで目にするあたり、効果モンスターの代表格といえるのかもしれない。

それにしてもこのイラスト、『サンダー・ブレイク』とよく似ている気がする。
手札コストを要求したり罠カードだったりと共通項もある。
関係ないとは思うが。

私情。
最近雲パーミッションからこのカードだけを全て抜いたところ、急に回りがよくなった。
一体どういうことか。
やはり手札コストが調達できないデッキでは苦しいということか。

しかし今回やたらに強調した『手札1枚』の件。
こうもしつこく手札コストの大きさを語ってみると、『剣闘獣の戦車』がいかに壊れた性能の持ち主であるかよく分かると思う。