悠久フィロソフィー

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簡易融合

考察対象:簡易融合


簡易融合 通常魔法
1000ライフポイントを払う。融合デッキからレベル5以下の融合モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚した融合モンスターは攻撃する事ができず、エンドフェイズ時に破壊する。「簡易融合」は1ターンにつき1枚しか発動できない。(この特殊召喚融合召喚扱いとする)


融合モンスターを直接場に出せる擬似融合カード。
『インスタント・フュージョン』と読む。
レベル5以下であれば、エクストラデッキから出すことができる。

攻撃ができないため、『魔導サイエンティスト』と同じように使うことは難しい。
またレベルも限定されるため選択肢も狭まる。
主な使い方としては、上級モンスター召喚の生け贄確保が挙げられる。
しかしそれならば『デビルズ・サンクチュアリ』で事足りる。

ただし、生け贄召喚時では『デビルズ・サンクチュアリ』にない利点もある。
例えば『霧の王』『偉大魔獣ガーゼット』召喚時には攻撃力が0でないことが大きなプラスになる。
『黒き人食い鮫』を出して『偉大魔獣ガーゼット』を生け贄召喚すればその攻撃力は4200にも到達する。

最近ではシンクロの需要も出てきた。
どちらかといえばこのカードが持つスペックのほとんどはそちらの方面が占めている。
例を挙げれば、『アーカナイト・マジシャン』を出すためにこのカードで『音楽家の帝王』か『カオス・ウィザード』を特殊召喚する、といった具合に、シンクロ素材条件に合い、必要に応じたレベルを調整しつつ、エキストラデッキというハンド・デッキ外から素材を調達できることができるということが大きい。
シンクロモンスターエクストラデッキに据えておく必要があるためスペースを圧迫してしまうが、シンクロ召喚するモンスターを散らさなければさほど大きい問題ではない。
現時点、一発でレベル1~5を自在に呼び出すことができるカードはほぼないようなものであり、このカードがもつ器用さはなかなか稀有である。
これは『緊急テレポート』の制限により相対的に価値を上げることとなった。

上記のことのためか、このカードと『音楽家の帝王』『カオス・ウィザード』は著しい高騰の一途を辿っている。
『アーカナイト・マジシャン』が各地で流行しているためである。
このカードを使うことにより『魔法都市エンディミオン』に魔力カウンターが乗ることもシナジーする。

また直接シンクロせずとも『ダーク・ダイブ・ボンバー』の餌として活用可能。
1000ライフ払って1000ダメージを飛ばせるため、ゲームエンドに一押し足りない場合はこれで押し切れる場合もある。
とかく、シンクロとは相性がいい。

シンクロ以外の活用法で使うのならば、融合召喚扱いとすることを利用するのが一つの手。
この特殊召喚融合召喚扱いとする、とある。
すなわち、この効果で出したモンスターは蘇生制限をクリアしている。
そのため、特殊召喚後に墓地へ送られても『死者蘇生』などで蘇生が可能。
この点を活かして、例えば『ナイトメアを駆る死霊』などを蘇生しやすい【アンデット族】ならば使いやすい。
他にも、墓地を肥やしつつ生け贄を確保したい場合に用いることもできる。
『黒き人食い鮫』を出せる【魚族】や『ドラゴンに乗るワイバーン』を出せる【ドラゴン族】など。
また、『ターレット・ウォーリアー』のために『魔導騎士ギルティアを出せる【戦士族】もか。

蘇生制限を満たしつつ生け贄を調達できる。
よって、『モザイク・マンティコア』との相性はなかなか。
効果は無効にされるものの例えば『おジャマ・ナイト』ならば守備力2500を蘇生できる。

ライフロスが地味に大きいので、運用の際には注意が要る。
やはりどうしてもデュエルを短期決戦で終わらせる必要が生じてしまうため、デッキがぶっ放し性能を帯びがちなのはやや残念か。
勢いに乗っているといえばそういえなくもないカードかもしれない。

破壊デメリットの扱いは微妙。
『絶対魔法禁止区域』発動下で融合通常モンスターを出しても破壊される。
また、『D-HERO ダイヤモンドガイ』の効果で使用した場合にも破壊デメリットが伴う。
とりあえず破壊は免れられないらしい。

この自壊デメリットを利用し、『強制転移』とコンボさせる戦術もとれる。
『光神機』シリーズさながらである。

『遠心分離フィールド』の効果は使うことができる。
しかし『融合解除』『ブランチ』の効果は使うことができない。
似たような効果だが相違があるので注意。

もちろん最強の相棒は言わずと知れた『サウザンド・アイズ・サクリファイス』である。
しかし禁止になって長いカードを話題に出すのも不毛だろう。
ちなみに、『サウザンド・アイズ・サクリファイス』を規制緩和したらどうだ、という意見に対しては、ほぼ100%の確率でこのカードの存在が反論材料となる。

簡易融合。
融合素材も『融合』も使わず手っ取り早く融合しようという意味では確かに『簡易』的。
しかしその使用目的は、およそ融合召喚とはかけ離れたところにあるのが現状。
一応、『黒炎の騎士―ブラック・フレア・ナイト―』の正規融合補助にはなる。

イラストでは、インスタント関連なのかカップ麺が描かれている。
『FUSION』とはなんとも安直だが分かりやすい。
しかし貼り付けられている『1000』というのは何だろうか。
ライフコストを表しているのは間違いないが、イラスト内での扱いとしては値札としか考えられない。
カップ麺が1000円。
某総理でも400円くらいと言っていたくらいなのに1000円はないって。

妙に流行り始めているカード。
シンクロをする気は毛頭ないものの、安いうちに3枚手に入れておけばよかったかなという気持ちがなくもない。
貧乏性。