悠久フィロソフィー

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スター・ブラスト

考察対象:スター・ブラスト


スター・ブラスト 通常魔法
500の倍数のライフポイントを払って発動する。自分の手札・フィールド上のモンスター1体のレベルをこのターンのエンドフェイズ時まで、500ライフポイントにつき1つ下げる。


レベル関連の通常魔法。
ライフコストを払い、それに応じてレベルを下げる。

星を下げるということはつまり、上級モンスターを下級モンスターに変えられること。
星5→500ライフ
星6→1000ライフ
星7→1500ライフ
星8→2000ライフ
をそれぞれ払うことで、通常召喚の生け贄を不要にできる、というのが主な使い方か。
似たような効果を持つ『死皇帝の陵墓』と比べてみると、5ツ星や7ツ星モンスターの場合にやや払うコストが少なくて済む事が分かる。
また、生け贄の数ではなくレベル数をいじるため、例えばレベル8モンスターのレベルを2つだけ下げて生け贄1体で召喚する、ということも可能。
そういう観点で見れば『歯車街』との相性は非常に良好。
「古代の機械」は『歯車街』の効果でそもそも生け贄を1体減らすことができるため。

レベルの調整はシンクロにも有益。
フィールド上にチューナーがいる場合、あるいは手札にチューナーがいる場合に発動すれば、減少させることしかできないものの自在にレベルの変更が可能。
例えば手札の『サイバー・ドラゴン』のレベルを1つ下げて特殊召喚し、『クレボンス』を通常召喚すれば『ゴヨウ・ガーディアン』が出せる、といった具合である。

『伝説の都 アトランティス』のように、レベルを下げることで『レベル制限B地区』などのロックを通過させることもできる。
1ターンのみだが、高レベルモンスターがいきなり生け贄無しで出てくることもあわせて奇襲性は高い。

ローレベル用サポートカードとのコンボも可能。
例えば『同姓同名同盟』ならば、このカードでレベルを2にした最上級通常モンスターをデッキから一斉に特殊召喚できる。

先に書いた『死皇帝の陵墓』とは相互に互換する。
あちらは永続的であり効果が繰り返し使える、フィールド魔法のため『テラ・フォーミング』『エンシェント・フェアリー・ドラゴン』でサーチが容易、という利点がある。
反面、相手に使われる、フィールドカードゆえ破壊されやすい、コストが固定値、という点でこちらに劣る部分もある。
また、スペルスピードの都合で成り立たなかった『血の代償』とのコンボも成立する。

『自爆スイッチ』の発動のためにライフコストを過剰払いすることもできる。
ただし先日の『無差別破壊』でも触れたとおり、レベルを1未満にすることはできない。
そのため、『光の護封壁』と違い一発で初期値からライフを払いきることはまず不可能。
参考までにこのカードで一度に払えるコストの上限は、『ユベル-Das Extremer Traurig Drachen』をレベル1にした場合の5500ポイントである。

あくまでもライフポイントを払って発動する効果。
よって、チェーン発動で『ダスト・シュート』『水霊術―「葵」』などを喰らうと効果が発揮できなくなる可能性もある。
発動時に下げるレベルの数を決め、効果解決時にレベルを下げるモンスターを提示する。
そういった手順であるため、ハンデスなどされた場合には注意。
手札にレベル2~3がごろごろしている中でレベル7を通常召喚しようとして1500ライフを払った際に『ダスト・シュート』を使われそのレベル7モンスターを戻されたとき、1500ライフポイントが水泡に帰す。
しかし上記のことも踏まえるとこのあたりは少々怪しい。
一度問い合わせるべきかもしれない。
ちなみに『魔力倹約術』発動中のコントローラーはこのカードの発動が不可能。

効果解決時にレベルを下げるということは対象を取らないということでもある。
『無敗将軍 フリード』のレベルを下げることは可能。
また、効果解決時にレベルを下げるため、発動を無効にされた場合手札のモンスターを見せる必要はない。

下げたレベルは、墓地に行く、除外されるなどするとリセットされる。
例えば『青眼の白龍』をレベル2にして召喚、攻撃したら『聖なるバリア―ミラーフォース』を使われた……などというときに『エンジェル・リフト』でその『青眼の白龍』を蘇生させることはできない。
とはいえ手札にある時点では効果がきっちりと効くので、レベル8にした『ユベル』を『トレード・イン』のコストにする、などといった使い方はできる。

儀式モンスターのレベルは下げても意味が無い。
儀式召喚という一つの手段として、『カードに記載されているレベル』を基準とするためである。
エンド・オブ・ザ・ワールド』などでも同じく。

何にせよライフポイントを払う効果なので、過信すると危険な側面もある。
調子に乗ってこのカードを数枚発動しレベル8モンスターを出しすぎるとすぐにライフポイントがなくなってしまう。

相手の場に『ザ・カリキュレーター』がいてモンスターを召喚したい場合、このカードでレベルを減らせば1ターンのみ攻撃力上昇を抑えることができる。
ありえないシチュエーションだが。

地味に『下克上の首飾り』ともシナジーする。
既に書いた『同姓同名同盟』ともども、コンボが決まれば爽快な事態になる。
ありえないシチュエーションだが。

珍しくテキストに『倍数』という単語が使われている。
『倍数』という言葉が書かれているのは、このカード以外では『サイコ・コマンダー』『光の護封壁』『窮鼠の進撃』(意味上では『冥王の咆哮』も含む)くらいで、ごく少数。
初等幾何のうち『倍数』を授業で習うのは小学校6年生のとき。
遊戯王OCGが『対象年齢12歳以上』となっている理由の一端なのかもしれない。

スター・ブラスト。
星を吹き飛ばすという意味か。
カード名は効果を表す。

イラストでは『サファイア・ドラゴン』がカードに表記されているような星を破壊している。
あるいは、『サファイア・ドラゴン』のレベルを破壊しているところか。
『ブラスト=突風』という意味合いもあいまって、適任のモンスターかもしれない。
元々生け贄なしで通常召喚できる『サファイア・ドラゴン』のレベルを下げて何になるんだという意見を思わなくもないが、最初に書いたとおり、シンクロ用調整やロック抜けなどの利点はある。
一応。