悠久フィロソフィー

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ゴブリンのその場しのぎ

考察対象:ゴブリンのその場しのぎ


ゴブリンのその場しのぎ カウンター罠
500ライフポイントを払う。魔法カードの発動を無効にし、そのカードを持ち主の手札に戻す。 


一瞬だけ魔法カードを無効にするカード。
カウンターカードで、ライフコストがある。

ただ魔法カードを無効にするだけでは、またすぐに使われてしまい効果がほぼない。
500ポイントの損失とカード1枚の損失をするだけであり、ひたすら不利要素のみ残る。
使うのであれば『マジック・ドレイン』か、まだ『マジック・ジャマー』だろう。

よって、使うのであれば、発動機会が限定的であったりコストが必要なものに対して使いたい。
ライフコストや手札コストは帰ってこないためである。
よく見るところで『ライトニング・ボルテックス』『洗脳-ブレインコントロール』など。
『黒魔術のカーテン』あたりを無効にした時には小躍りできるかもしれない。

相手が『真紅眼の黒竜』を指定し『黒炎弾』などを使ってきた際にこのカードを使い、『裁きを下す者-ボルテニス』を出して相手のカードを破壊すれば、戦術を崩すことができる。
しかし『マジック・ドレイン』でやれ、という話である。

『暗黒の呪縛』と組み合わせれば強力……
かと思いきや、『暗黒の呪縛』のバーン効果は魔法カードの効果解決後に発動する。
そのため、このカードとのコンボは残念ながら不可能である。

発動を無効にしているため、魔力カウンターも乗らなければ『魔法吸収』も使えない。
『魔力掌握』『スケープ・ゴート』などの誓約効果も破棄させてしまう。
ダメージステップ時の『収縮』『突進』の無効化も、すぐに再度使われるだけで意味を成さない。
結果、自分カードとの兼ね合いも相手戦術の封印もできず、有用性が低い。

『マジック・ドレイン』と違い、魔法カードを一度は確実に無効化できる。
そのため『冥王竜ヴァンダルギオン』を確実に出したい場合には安定する。
『マジック・ジャマー』等と違いハンドの消費がないという利点も存在する。
ただしその路線で活躍の場を探すとどうしても『魔宮の賄賂』にぶつかるわけだが。

効果が短いほど強い、という格言めいた法則がある。
が、このカードには当てはまらない。

ゴブリンのその場しのぎ。
この効果ではその場すらしのげないケースが多発すること請け合いである。

イラストでは、没落した『成金ゴブリン』がコビを売っている。
こののち、『セカンド・チャンス』に続くと思われる。
もしくは『セカンド・チャンス』の続編がこのカードなのかもしれない。

英語名が面白いカード。
このカードの英名は『Goblin Out of the Frying Pan』である。
すなわち『ゴブリン アウト・オブ・ザ・フライパン』である。
直訳『その場しのぎのゴブリン』という感じだが。
つまり『Out of the Frying Pan』が『その場しのぎ』ということである。
その理由は、この言葉が本来『out of the frying pan, into the fire』という慣用句であることに起因する。
その場をしのいでいるとより大きな困難に見舞われる、といったところ。
その前半部分だけが、このカードの英語名に利用されているということになる。

さんざん述べたようにほぼ使い道の無いカードだが、一応『ゴブリン』のその場しのぎ。
ゴブリンデッキを作る際には是非入れること。
かなり無理があるが、ネタデッカーならばそのくらいに心の余裕は欲しいところだろう。