悠久フィロソフィー

今ここから 改めますか

二択を出してうんたら

っていうスレが昔ありましたね(首謀者)
 
 
《光の護封剣》 VS 《くず鉄のかかし》
 
 
《光の護封剣》
通常魔法
相手フィールド上のモンスターを全て表側表示にする。
このカードは発動後、相手のターンで数えて3ターンの間フィールド上に残り続ける。
このカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上のモンスターは攻撃宣言できない。
 
 
《くず鉄のかかし》
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手モンスター1体の攻撃を無効にする。発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。
 
 
妙なところで役割が被り、迷ってしまいました。
 
 
 
共通
○相手の攻撃のみを一定期間封じられる
×公開情報になるため妨害として奇襲性が薄い
×場に残るため除去されやすい
 
護封剣
○相手リバース効果の誘導、裏側表示モンスターの解明
○相手モンスターが複数体でも防げる
○攻撃宣言自体を封じるため一部モンスターを無力化
×3ターン後に自壊
 
くず鉄
○直前まで情報が非公開
○除去されない限り半永久的に使用可能
○攻撃を通す/通さないをコントロールできる
×(護封剣と比べ)除去・無力化されやすい
 
 
どちらも共通している強みは「複数回の防御」です。つまり《和睦の使者》《威嚇する咆哮》《覇者の一括》《攻撃の無力化》など「刹那のその場しのぎ」的あるいは「タテ的」防御でなく、時間的に幅を持った、「ヨコ的」防御であるということ(逆かな?)。
かつ、《レベル制限B地区》などのようにレベルや攻撃力で対象をふるいにかけることなく、基本的にどんなモンスターでも止めることができるカードであるということ。
 
場に残り続け、かつ相手のみが影響を受けるということで相手に何かしらの判断を強い、そこから駆け引きに持っていくことができます。
相手が「安全に除去できるまで待つ」と判断するか「無理にでも今突破する」と判断するかでもかなり違い、それをそのようにさせているのは自分であり、その意味では「戦闘でダメージを与える」というゲームの本筋の観点においてコントロールする側に回っているということであるともいえるのではないかなと。
 
相手がバーンだったりエクゾだったりしたらこの二択はナンセンスってことです。
殴ってこないんですもの。
 
 
 
さて前置きが長くなりましたが護封剣とくず鉄。
 
 
 
どちらも共通した弱点は《サイクロン》なり《大嵐》なり要するに魔法罠除去。
《甲虫装機 ホーネット》《ダーク・アームド・ドラゴン》が制限になっても《サンダー・ブレイク》《鳳翼の爆風》が大人気で《魔導戦士 ブレイカー》が3枚積める時代です。
このあたりの存在を深く考えたら負け。
まあ要するにこの二択ははなっから現実的ではない。
言い換えれば、こうした除去を(サイドにでも)用意できない場合はロックで詰む可能性がありますよということ。
 
それにしたって、相手が「素直にサイクロンを引くまで待とう」とするのか、それとも「消費はやばいけど無理にでもスクドラ出そう」と考えるのかは、えらい違いであるはず。
一方で「5枚のうち1枠はロックに費やしている」ことが相手にとって安心となる場合もまああるでしょうというわけで。
 
 
具体的な比較の話。
 
 
護封剣のロック効果に付随する「強制リバース」が現環境でどれほど意味を持つかは果たして判然としません。《スノーマンイーター》《ライトロード・ハンター ライコウ》くらいでしょうか……? 《メタモルポット》とかおるんかな。
自分の場ががら空きならば、モンスター破壊効果を不発にできます。
また《クリッター》あたりが伏せられているのを暴くこともでき、余計な手出しをせずに済む。
 
逆に一部「表側守備表示で場に残っていたいから相手に殴ってもらって反射ダメージ与えつつ守備のまま表になりたいなー」という無謀な理想を掲げる一部モンスターを手助けしてしまう可能性はないわけではない。
パッと思いつきませんが《王立魔法図書館》とか?
 
 
それより護封剣は自壊します。
これがくず鉄と比べた場合の決定的な差。
 
セルフバウンスで維持できますがくず鉄のかかしならばそれ1枚で場にとどまる。
もちろん《宇宙砦 ゴルガー》《霞の谷のファルコン》などで活かせるのですがそれはかかしも同じこと。
 
場に残る3ターンとは相手ターンで数えているため意外と長いものです。
その間の通常ドローだけでも単純に+2枚。
 
自壊を利用するというのもなかなか考えにくく、スロットがひとつ空くことを予約していても、という感想は否めません。
逆にそれだけに、「3ターン待つか」という選択肢を相手に与える、という心理的要因があるのかもしれませんが。
 
攻撃宣言時に発動する効果も使えなくなるというのは地味に勝る点。
わかりやすいのは「古代の機械」系統でしょうか。
これはむしろくず鉄のかかしにかかる「妨害されやすい」欠点なのかもしれませんが。
 
 
一方のかかし。
半永久的という言葉が似つかわしい自己再生的トラップ。
 
発動するまでその抑止が明らかにならないため、ブラフ的うま味も見出せるのがこちらの利点。
終わりまで含めて「見えてから」心理的に働く護封剣に対し、「見えるまで」と「見えてから」でそれぞれ異なる駆け引きを演出するのがこちらであるといえます。
 
3ターンの時間制限が無い代わりにこちらは1ターンに1度。
複数体でかかられると突破され、大量展開に弱い代わりに一点突破には強い。
相手に、増員、無理に複数のモンスターを並べての無理な攻撃を誘発し、こちらは守備を固めて待ち構えている、という状況ならばゲームメイクは良好でしょう。
受動的で不確定的ですが「殴ってもらう」ことが大事なモンスターもいるわけですリクルーターとか。
ミラーフォースの威力も上がります。
 
またどの攻撃を通すか? 誰にならば誰に対してならば殴ってもらってよいか? という判断をこちらが操作できるのは大きな強みであるといえます。
それは相手のすべての攻撃を防ぐことはできないということの裏返しでもあるのですが、「1ターンに1度」をどこに使うか、は選択でき、あとは状況を見ての駆け引きになるはずです。
 
柔軟性の高いように見えるくず鉄のかかしが護封剣に対しやや厳しいのはやはり被無効化範囲。
伏せカードなので《ナイト・ショット》《撲滅の使徒》《ラヴァル炎湖畔の淑女》にやられる。
罠カードなので《人造人間―サイコ・ショッカー》《トラップ・スタン》《王宮のお触れ》にやられる。
対象を取るので《椿姫ティタニアル》《メンタルスフィア・デーモン》《青氷の白夜龍》にやられる。
もちろんこれらを大した痛手と取らず気にしないでおくのも可能ではあります。どっちみちサイク大嵐には弱いのだし……という割り切り。
 
しかしそれを思うと意外に護封剣とは無力化されないものです。
ピンポイントな「表側表示魔法罠の破壊」というなら《ツイスター》《結界術師 メイコウ》など、無効化というなら《大凛魔天使ローザリアン》《神禽王アレクトール》《破邪の刻印》くらい……?
 
超銀河「俺もいるよ!」
 
それはともかく。
 
 
 
そもそも魔法と罠とで種別も違うのだしデッキによりけりですわこんなん、という意見もあるのは当然でしょう。
目的が少し被るかなと思ったので比較してみました次第です。
 
長々と書きましたが、結局どっちのほうがいいの! という考察はしていません。
似た範囲の似た用途のカードであるならばそれぞれの長所短所を抑えておくべきでは? という発想です。
また、普段あまり重視されない対人戦における心理戦的要素を見つめてみたかったというのがあり。
 
ガン伏せバックに対しサイクを一発撃ってから大嵐を撃ったりするのが対人戦。
 
そういった駆け引き、やりとりはカードゲームにおける醍醐味の一つでもあるはずです。
読み合いの無い戦いほど機械的で作業的でつまらないものもないです。
そんなことを考えつつ。
 
 
 
それで結局どちらを入れようか……