悠久フィロソフィー

今ここから 改めますか

【遊戯王】151001改訂 感想

ヘンな時間に目が覚めました。




○禁止
旧神ノーデン
星守の騎士 プトレマイオス
 
○制限
E・HERO シャドー・ミスト
グローアップ・バルブ
慧眼の魔術師
深海のディーヴァ
影霊衣の術士 シュリット

○準制限
クリバンデット
水精鱗―ディニクアビス
イビリチュア・ガストクラーケ
精神操作
月の書
光の援軍
封印の黄金櫃
闇の誘惑
竜の霊廟
六武の門
墜ち影の蠢き
死のデッキ破壊ウイルス

○無制限
E・HERO バブルマン
オネスト
混沌帝龍 -終焉の使者-
混沌の黒魔術師
BF-疾風のゲイル
マンジュ・ゴッド
フォーミュラ・シンクロン
発条空母ゼンマイティ
簡易融合
魔法石の採掘
転生の予言
奈落の落とし穴






○禁止



・《旧神ノーデン》


当然過ぎて言葉が見つかりません。私の中ではとっくに禁止カード指定済みでした。
これを機にこの人に対するあれこれを言い尽くしておくべきだろうか。


このカードをめぐってはいくつかの要因が交錯しています。「効果の対象が限られておらず汎用蘇生カードであること」と、「「旧神」カテゴリであること」です。この、「汎用カードであるにもかかわらず自身も特定カテゴリに所属している」ということがひとつ厄介なポイントでした。
というのも、「旧神」カテゴリは2015年9月16日現在で国内「未実装」であるためです。かつ、エクストラパック発売後に実装される将来性のあるカテゴリでもある。
未だ実現すらしていないカテゴリカードをその前に禁止に追い込むということは、それほど異常なカードパワー、汎用性を持っていたことを裏打ちしているといえます。


元々ノーデンに対するツッコミどころは非常に多いです。

・なぜ「☆4」「融合モンスター」なのか
 →《簡易融合》《再融合》を筆頭に様々なカードに対応している都合の良すぎるステータス
  また個人的な話ですが《創星神Sophia》を使う際の選択肢を大きく狭めていたように思っています(ここについては賛否あるところですが)
  簡易融合自体、
   1)「融合召喚」扱い=蘇生制限を満たす=安易に操作可能領域に持ち込む手段でありながら再利用可能になっている
   2)「1000ライフ」以外に条件の無い「発動条件の緩い」「汎用」「通常魔法」カードである
   3)「フュージョン」の名を持ち、サーチ可能である
  などといった要因からかなり操作性の高いカードであり、このようなカードでノーデンを出すというのは、安直な手段にしてはリターンが大きすぎなのではないかという印象。

・なぜ「汎用蘇生効果」なのか
 →なぜ「☆4以下」以外に何一つ対象の制約が無いのか
  場での効果こそ無効にしていますが、墓地発動効果を止められていない以上大した問題ではなかった。

・なぜ「正規融合の準備がすべてエクストラデッキ内で完結している」のか
 →エクストラデッキの四次元ポケット性を利用する例というのは漏れなく胡散臭いと思っています。
  特にターン内の連続融合が可能な《フュージョン・ゲート》関連でこの性質が強調されていた気がします。
  個人的には《ミラクルシンクロフュージョン》で《ゼラの天使》を除外しながら現れるのがあまりにも胡散臭かった。

・なぜ水属性なのか
 →元々以前からソリティア系統の手段として非常に悪名高かった《氷結界の虎王 ドゥローレン》の素材としてあまりにも有用。「チューナーを蘇生できる☆4水属性非チューナー」って……

・なぜ天使族なのか
 →これは個人的な話。《奇跡の光臨》に対応していたことが優秀すぎたシーンがあり。

・なぜ蘇生効果の条件が「このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは除外される。」なのか
 →《魔族召喚師》等に揃えたつもりなのかもしれないですが、あれらに比べてノーデンは蘇生先と一緒にシンクロ・エクシーズの素材として捌けていくことがより容易であり、大した意味は無かったと思われます。

・なぜ「特殊召喚に成功した時」発動する効果なのか
 →先の通り特殊召喚手段がやたら多い都合の良いステータスにしておきながらどうしてそんな効果を持たせたのか。
  個人的な話をすると《シンクロキャンセル》主体のデッキを考えている時にいつもしゃしゃり出てくるのが本当に鬱陶しかったです。

・なぜ「1ターンに回数制限の無い効果」なのか
 →連続使用が容易だとさっきから何度も言っている通り

以上の性質は「簡易融合による汎用蘇生カード化」と「特定カードによる連続使用からの先攻ソリティア」という、二つの方向にどちらも突き抜けた威力を発揮しました。


汎用性が高すぎたこと自体は、もちろんある程度は《簡易融合》にも依存する面がありますが、やはりこのカードの強すぎたところなのかなと思います。本当にデザインの段階でこうなることが全く予測できていなかったのだろうか。
以上に挙げているようないくらかの性質は概ねノーデン本体のものであって、ノーデンをデザインするということは上記のような運用がされるということを全て受け入れた上でそれを是としたということになります。
そう思うと、本当にそれでGOサインを出して良いと判断したのか?とも、本当にこういう性質を全部把握できていたのか?とも、どちらにも疑問が生じて見えます。
結果として今回禁止カード化にまで至っているのですから、なおさらです。こういう疑問はカードが禁止指定を受けるたびに投げかけられることになるものですが。


ソリティアに関して、どこまでコナミが掌握しているのかは測りかねます。実際に大会等で結果を残したことが、確かに無いわけではない、しかし(かつての【ドグマブレード】のように)あまりにも目立っていたというわけではない。どちらかといえば動画サイトやSNSで「ユーザーが勝手に盛り上がっていただけ」です。
そういう側面まで加味して規制リストを作っているのか、ということもまた、色々な意味で気にかかる箇所ではあるのかもしれません。
というかほんとどうやって制限リスト作ってるんでしょうね。このへんは後述したいと思います。


ともかく、目下のプールで一番苦手なカードが公式に禁止指定を受けたこと自体は前向きに捉えたいと考えています。




・《星守の騎士 プトレマイオス


仮にノーデンのソリティアアンダーグラウンドでのデザイン問題とするならば、プトレマイオスは逆にあまりにも目立ちすぎたデザイン問題という言い方ができると思っています。
オールオアナッシングというか、制限にしても意味が無い類いのカードであり、規制をかけるのであればそれはつまり禁止ということになる。その意味では特に驚くこともなく自然な結末かなとも思います。


改訂に対する雑感の時点でも書いていましたが、「プトレマイオス裏目」とは「大局的な裏目」です。
エクストラデッキの1/3程度を1つのカードのために消費してしまうという圧迫具合。エクストラデッキ依存の戦略が持ち味とする、状況に応じてコマを使い分ける、という柔軟性を損ねるという意味でこの裏目はデメリットたりえます。
一度戦略が崩れた後の戦力の低下だとかを挙げることもできそうです。


しかし現在のプレイ環境は大局的な見方とは真逆にあります。
制圧効果を持ったモンスターを容易に立てられるようになり、瞬間でマウントを取ってそのままゲームエンドに持ち込む。捲り合いが無いとは言いませんが、ここでの捲り合いとは、相手が用意した陣形をなお上回るカードパワーを叩きつけているだけに過ぎない。


そしてプトレマイオス自体がまさしく代表的な制圧効果持ちエクシーズモンスターであり、自分のデメリットである大局的な弱さを自分自身で通用させなくしていた。
世話ねえなっていう感じです。


エクストラデッキの圧迫という問題も最終的には進化先を絞るということで結局は大したデメリットたりえず、それで充分な成果を残していたのだから関係無い。
そういう側面さえ克服してしまえばあとは「レベル4モンスター×2」で容易に現れる非常な汎用性の高さだけが残る。よく言われることですが何故このモンスターには縛りが無いのか。戦士縛りだとか光属性縛りだとか、もっと言ってしまって「テラナイト」縛りで良かった。
トライヴェールに対してカテゴリ縛りができたのに、どうしてプトレマイオスにはそれができなかったのか。まったくもって不可解。
もちろん本家【テラナイト】におけるプトレマイオスは他デッキにおけるそれと比べて優位性もあったわけですが(特にシリウスによる回収など)、それが他デッキにおける役割を損ねることにはなりません。


「自身効果でランクアップする」という発想そのものは、目新しく、正当に強力な効果であったと思います。
また、「テラナイト」という名を冠するモンスターの登場、特に(《セフィラの神撃》イラストに見られるような)ストーリー上の都合(?)にも乗っかる形で象徴的なモンスターが現れることも、まあ、納得できた。
こうした2つの要因が同時に兼ね備えられてしまったことが問題で、ただでさえ有効な選択肢の多い「ランク4」帯にさらなる手段を与えてしまったことも、またそこからランクアップして現れるのが元来上級モンスターを素材として要求する「ランク5」帯であったこと(=一部ランク5を出す工夫の否定に繋がること)も、結局ゲームとしての多様性だとか発展性だとかを大きく損ねていたのではないかなというところです。


相手ターン中《外神アザトート》進化による効果モンスター封じができることがどこまで関係しているかはわかりませんが、それが国内環境で露骨に横行する前に禁止指定されたのは少し安心かなというところです。
ついでのように《星輝子 セイクリッド・ダイヤ》が出にくくなるので、今後は【シャドール】のような闇属性テーマだとか、【インフェルノイド】【ライトロード】のような墓地肥やし系デッキが多少使いやすくなるのかもしれません。








○制限(規制)



・《E・HERO シャドー・ミスト》


雑感でも書いていた通り、私としては大いに納得しています。
《ヒーローアライブ》《マスク・チェンジ》《M・HERO ダーク・ロウ》といった他のカードは全て、結局このカードの性能に収束していく。よってミストをおいて他のカードを規制する意味はほぼない。
例外はエアーマンくらいで、しかし「マスク・チェンジ」戦略を取る上でエアーは「ミストのためのカード」という側面も強く、ならばミストのほうをどうにかすれば問題ないのでは、という考えでした。


ただ、そういう考えをかなり以前から持っていたことから、少し遅すぎたかなという気はします。
この段階で【HERO】に対して規制を入れる意図は読めません。ヒーローストラク登場から一度も規制をしてこなかったことの違和感がより顕著になります。世界大会でのシェアを見て改めて脅威認定したということなのか何なのか。


9期の、「どこからでも墓地に落ちれば発動する」シリーズにおいては初の規制なのでしょうか。
このミストの規制はひとつ目安になるのかなというところです。「どこからでも墓地に落ちれば発動する」という極まって安易な発動条件でどこまでやっていいのか。
もっともミストに限っては「ss時のサーチ」という2つ目の優秀な効果もあってのこの成績なので、一概に判断はできませんが。


恐らく疑問視されるであろう《M・HERO ダーク・ロウ》との兼ね合いですが、確かに先攻アライブでダークロウまで繋がる現状は変わりませんが、しかしミストが1枚になることでその先攻アライブもなかなか気軽に使えなくなってくるとダークロウの脅威度合いも結果的に下がるのではないかという気がしています。
目先の盤面に残るダークロウの脅威は変わりませんが、それを全力で処理することはより有意義になる。
何よりHERO側の構築が大きく見直されることが大事だと思います。これまで通り適当にやって成立すると思うなよというか。かつて【ヴェルズ】にもこういうこと言った記憶がありますが。でもあっちはオピオンだったんだよなあ。時代の流れを感じます。




・《慧眼の魔術師》


今回一番意外でした。5月登場カードを規制する判断は無いとばかり思っていた。
確かに非常に強力で、特にテーマ内において多様に柔軟な働きをするタイプのカードであるわけですが、あまり明確な脅威であるという印象はありませんでした。
テーマ内万能サーチを規制する態度は何も間違っていないが、これまで全然なされてこなかっただけに、何か引っかかる。


出自が「瞬間的に売り切れたVジャンプ」であるため、流通の面であまり良いカードとは呼べなかったのかもしれません。
「魔術師」というカテゴリ自体も今後継続させていくようですし、絶版カードがデッキの中核になることが問題であることにようやく気付いたのでしょうか。
その割には《EM ペンデュラム・マジシャン》がノータッチなのが不自然すぎる。
うがった見方をすれば【魔術師】を切り捨て【EMEm】の力を残しているあたり、どういうデッキに活躍してほしいかを意図的に限定しているようにも思えてしまう。
そういう行為に何の意味があるのかわかりませんが、販売戦略のためにゲームシステムを利用するというような態度を平然と取るのであればあまり良い印象は持ち得ないかなという限りです。


余談ですが1枚未開封で持っていた慧眼は売り時完全に逃しました




・《深海のディーヴァ》


【海皇】に対するアプローチがあって一安心しています。《海皇子 ネプトアビス》が本丸ですが、そちらにアクセスしつつ展開につながるこちらをまず規制するというのは様子見としても正しいのかなというところ。
揃った時の威力は変わりませんが、揃う確率が下がるのであれば総合的に威力がダウンしているはず。


ただ難色を示すのであれば、ネプト以外の海竜族を使うデッキ、【海皇】以外のディーヴァ使用者まで巻き込んでしまったことはとばっちりだったかなという話。
《リチュア・ディバイナー》を使う【天変地異】利用者が特に話題に上がるところです。私は《ヴィジョン・リチュア》を呼びこんで水属性儀式のリリースに充てるデッキがありました。《氷結界の輸送部隊》から《たつのこ》をシンクロして展開して……とかいう例も見たような気がします。


やはりチューナーであることは無視できないほど大きかった。1枚でシンクロ召喚に繋がるということの威力の高さは、特に低レベル帯シンクロの充実によって無視できなくなってきたのかなと思われます。
リクルート範囲がわずかに18種しか無いにも関わらず制限指定を受けるということの重大さは、半分はネプトの存在、もう半分はシンクロ戦略の取りやすさゆえといえるでしょうか。
能動的にデッキに触るという行為の強さを思い知らされます。




・《影霊衣の術師 シュリット》


ある意味では理屈はシャドーミストと同じで、後続を供給する能力を潰すことでデッキ全体のパワーダウンを狙う作戦。
海外では先んじて制限指定されていたカードですが、それに並ぶ意味でも妥当な処置かなと思われます。


後続供給も大概ですが、上級ネクロス儀式体に課せられたリリース制限を満たすのが存外難しいなと最近感じていて、このあたりに簡単には使えない考慮点があって、それを完全無視するあたりシュリットのリリース補完性能はかなり小ズルイなとも思っていました。
考え無しに使えるオーバーパワーな存在はやはりつまらないのかなとも思います。
イラストもただのクソ生意気なガキにしか見えなかったのでちょうどいいです


《カタストルの影霊衣》でシュリットを使い回すだとか、儀式魔人を増やして墓地儀式の利便性を維持するだとか、今後の【影霊衣】の工夫が気になるところです。
リリーサーが増えるなんてことになったら嫌だなあとは思いますが。







○制限(緩和)



・《グローアップ・バルブ》


悲喜交々。自分がこれにかなりひどい目に遭ったこともあってどうなんだろうという感じです。
【EMEm】においてチェインから現れトリッカーと《ナチュル・ビースト》になる、とか得意気に語られる様子を既に見ていますが、個人的にはレベル4展開に挿すよりやはり植物シンクロで使った方が数倍強いのではないかという気がしていて、このためだけに使うチェインというのは果たしてどうなの、とか、色々思ったりします。
ペンデュラムという存在がエクシーズよりシンクロのほうが相性がいいことは大いに認めるところですが。


これの脅威もなんだかんだでかなり昔の話なので、あるいはバルブがただただ強いという価値観も、既に過去のものになっていたりするのだろうか、とかふと思ったりします。
ノーモーションでモンスターが1体増えることの意味はやはり絶大だと思いますが、そんなこと言ったら毎ターン数体のモンスターをノーモーションで出せる召喚方法とかいうどうかしている手段が現行の主流になっているわけで、なんというかもうそういう観点で数量的な話をすることは無意味なのだろうかなあとか思います。
遠い目になります。


たまたま自分が今構築・調整しているデッキが植物族をメインに据えたシンクロデッキだったため、あまりに都合良く最上の強化が現れて、手放しに批難できずにいる状態です(
【トランスヘイズエッジ】や【がんばれフレムベル・パウン】など、戦略を全く妨害せずに採用できるデッキもいくつかあったので(こういうあたりに自分の価値観の古さを感じます)、久々に入れてみるのも悪くないかなという気がしています。
ちなみにトップ墓地送りは「コスト」ではなく「効果」の一部です。みんなでシャドールを落とそうな。


《スポーア》もでしたが、デュエル中1度の効果も大概オールオアナッシングなので、しばらく様子見した後はすぐ解除まで行くのだろうなあと見ています。







○準制限(緩和)



・《クリバンデット》


噂のあったマスマティは無いだろうと思ってましたがお前かい、という感じ。
カードパワーの高さは相当で、制限が妥当だろうなあとは思っていたのですが、果たしてどうなのか。
この手のカードは「召喚権をここに使うことが妥当か」という問題が常につきまとうので、相対的な強さを見ることになると考えています。




・《水精鱗―ディニクアビス》


性能だけ見れば相当なパワーなのですが、《銀河戦士》がアレで収まっていることを見ると、実際は制限が妥当というわけでもないのだろうか……?とか。
海外制限では3枚だったはず。


マーメイルに関しては実はかなり理解が浅く、使ったことも無ければやられたこともそんなに無いのでディニクに関してはテキストを読んだだけの判断になります。
【炎星】にかけらていた制限がすっかり取り払われている現状を見ると、マーメイルに対する規制もそこまで必要ではなかったりするのでしょうか。
安いうちに買っておけばよかったかなあとか貧乏性めいたことを言いそうになります。


【海皇】との兼ね合いだけやや不安ではあります。ガイオアビスも決して弱いカードではない制圧系なので、怖い感じ。




・《イビリチュア・ガストクラーケ》


ハンデス系はあれほどまずかろうと言ったのに……《ゼンマイハンター》禁止化から何を学んだのでしょうか。
【聖刻リチュア】という、あまり復権してほしくないデッキタイプが力を取り戻してしまったというのはあまり喜べることではないかなと。


儀式モンスターを取り巻く環境そのものはかなり変わってきているとは思うので、《虹光の宣告者》だとか、1枚になった《儀式の準備》だとか、そういった要因も含めてどのように扱われるのか気になるは気になるかなというところ。
非常な脅威ではあるとは思います。




・《精神操作》


ちょっと怪しい。これを複数枚積むデッキというのはどうなのだろうか。相手モン利用のシンクロ、エクシーズという以前からの使い方。安直に相手の場をどけて攻撃を通すとかがやりやすくはなる。
確定コントロール操作であるにも関わらず単体で機能しないカードではあるので、現代にあってどう利用されるのだろうかなあと考えてみたくはなります。
相手Pモンスターを奪ってエクシーズに使えると戦略を乱せそうだなあとか思う。


《炎王の孤島》採用デッキで使っていた時になかなか強力だったので、増やしてみるのも面白そうかなとかいうのが第一感でした。
コントロール奪取という手段自体は非常に好きなので(意味深)、遊んでみたいとは思います。




・《月の書》


一手一手を積み重ねるタイプの戦略には有効なカードで、特にシンクロ召喚主体のデッキにこれをやられるとやはりつらいものがあるわけですが、ペンデュラムをガンガン投げさせたいから大した威力も無いだろうと寄越してきたということなのか、シンクロ強化の一環としてメタ強化もしようという判断なのか、どういう文脈で緩和されたのか次第でお上に対する態度を考え直したくなるカード。
私個人にはけっこう刺さります。これが流行るなら辛いなあというデッキは多いです。


「裏守備化」という処理の脅威がわかっていると、手放しで喜べない一方で、汎用カードゆえに自分もそれが使えるのだとも思えるので、そこまで心穏やかでないというわけでもなかったり。
最近奇妙に値上がり気味な《ゴーストリック・アルカード》がまた変な評価を受けるのだとしたらちょっとなんだかなあと思ったりします。




・《光の援軍》


クリバンデットもそうでしたがランダム墓地肥やし強化のノリなんでしょうか。そう思うとバルブ緩和も含めて昔の状態に回帰しつつあるのかもしれない。
思えば《カードガンナー》完全緩和の時点で将来的に援軍が緩和されるビジョンが見えていてもよかったのかもしれません。


ちょっとどうなのと思ってしまうほど優秀なチューナーである《ライトロード・アサシン ライデン》がやっぱりちょっとどうなのというくらいの値段になっている点だけが不服で、ライトロード自体は、そこまで積極的に使いたいテーマではありませんが、飛び抜けてまずい連中というわけでもないのかなと。
自分が使うととんでもない落ちしか寄越さないのでよほどのデッキでない限りランダム墓地肥やしは使わないと決めています。身体の相性が良くない。
ただあんまりほいほい《裁きの龍》ぶっぱばっかりされるのも良い気しないなあとは。




・《封印の黄金櫃》


雑感でも書いた通り、【征竜】消滅とともに威力をいくらか失ったカードではあります。
このカードを書いてあること以上に強く使えるのは【ラヴァル】だとか【霊獣】だとか一部の除外利用デッキくらいで、そういった限定的な使い方以外は単なる汎用サーチカードに過ぎないならば、まあそんなもんなのかなという。


やっぱり大したお金を使えない庶民なので、こういう汎用カードを、収録カードがまず再録されることのないヴァリアブルブックに入れたこと自体がどうなのだろう、とか、今更言いたくなります。
自分の中では変に値段がすることだけがネックになっているカードです。そのあたり《タイムカプセル》のほうがまだ好きだったりします。【剣闘カオスソピア】に櫃でなくタイムカプセルが使われていた時期もあったなあとかなんとか。


「2ターン」という時間差が現代の状況にあってどれほどの意味を持つかという話なのかもしれません。




・《竜の霊廟》


もともと限定的な活用しかされていないカードであり、これもまた【征竜】消滅とともに威力を大きく低下させていました。なんていうかほんと何で作ったんでしょうね征竜。


次回登場の《オッドアイズ・アドベント》だけ気がかりで、あんまりドラゴン族に優秀な墓地肥やしを与えるのはちょっと胡散臭くないですか、という印象はあります。
それにしても【レッドアイズ】強化は一体何だったのかという……決して弱い強化ではなかったはずだったのですが。




・《六武の門》


今回最大の疑問点。確かに【六武衆】自体のパワーは下がってきており、今では《幽鬼うさぎ》もいる時代であるわけですが、それにしたってどうなのか。
《真六武衆―シエン》解放でも復帰しなかった六武の、最後の1枚がついに着手されてしまって、少し怖い感じ。


特に無限ループに絡むカードなので、それだけ果たして大丈夫なんですかと。
それさえももう過去のネタに過ぎず、今では誰も知らなかったりするんだろうか、とかなんとか。
なんとなく不穏です。




・《墜ち影の蠢き》


カテゴリ専用サポートの規制度合いはそのデッキ自体の性能の評価にそのまま直結します。
【シャドール】自体、決して弱いデッキでこそありませんが、確かに最近は下火で、それを再燃させようということなのか。


やっぱりネフィリムがとにかく強かったのだなあとつくづく思わされます。
蠢きはネフィリムよりも先に規制されたカードだったので、果たしてこの緩和によってどれほどパワーが変わるだろうか、と、気になるは気になるかなと。




・《死のデッキ破壊ウイルス》


エラッタによって威力が下がっていたカードで、確かに制限が妥当かと言われれば少し怪しかったですが、間違いなく弱いカードかというとそれも一概には言えないところがあるはずと個人的には思っていたり。
相手のデッキの中から相手が3枚選んで破壊する、という裏目をこれまであまり引いたことが無かったので、都合良く使ってきた身分ではあります。


やはりピーピングハンデスの凶悪さだったのだろうなと思う今日この頃で、その意味で最近流行ってきている《魔のデッキ破壊ウイルス》のほうが個人的にはよほど厄介です。
ウイルス系はあまり気分の良いカードでは無いよなあと。


《デス・ウイルス・ドラゴン》が使いやすくはなったので、《クリティウスの牙》を使う際にデッキが組みやすくはなったのかなと。







○解除



・《E・HERO バブルマン》


過去のブログを見返したら201402改訂で制限になっていたようで、それから準制限化を経て今回の緩和へ。
マスク関連登場を境目にヒーローというデッキのあり方も大きく変わったことだとか、ランク4戦略の充実だとか、割と話題から外れたことのないモンスターではあるのかなとふと思ったりします。


ミスト・エアーの2枚が制限となった今回の改訂にあって、デッキ内に入るヒーローの枚数を増やすという意味でバブルが解除されるのは自然なことのようにも見えます。
よく考えてみると必然性が無いような気がしないでもないような?


【ヒロビ六武】復活させようかしらん。




・《オネスト


雑感で「リミッタ―解除どうなん」とかぼやいてましたが、そういう話をするなら普通に考えてこちらが先でした。
戦闘に関してはサポートカードとしてこれ以上のものはありませんが、特にライトニングとかいうジャイアンが普遍的にのさばっているので、立場は無くなってきていたのかもしれません。


重ねて使ってこそ強いカードです。オネスト3枚でゲームが終わる感じは昔からやっている人でないとわからないのでないか。
《光の召集》でオネストを3枚集めるゲーム。
半年前のオフにてオネスト2枚がけでゲームが終了して非常に気まずい感じになった私には比較的タイムリーに色々と思おうところあります。


デッキ構築としては実は割と難しいところもあるカードで、ただ突っ込んで強いカードでもなくなってきているのかもしれません。
それにしても戦闘軽視な感じはあまり馴染めないかなあというところ。




・《混沌帝龍―終焉の使者―》


まさかの一発解除。確かにデメリットの重さから使いにくいなと思ってはいましたが、まさかまさか。
カテゴリサポートも受けられるようになった開闢とはえらい違いになりました。


《始祖竜ワイアーム》とコンボするデッキを持っているので、追加を検討しようかなとか。
混沌帝龍のために用意する光闇のリソースが意外と墓地に行きにくいので、デッキ構築的には思ったより考えがいが、実はあるのかもしれません。


「対象を取らない・破壊以外の除去」手段として一般化していくのでしょうか。
《激流葬》3枚体制の時にも思いましたが、あんまり簡単に場が更地化するのもどうなのだろうか……とか。




・《混沌の黒魔術師》


まさかの一発解除。確かにデメリットの重さから使いにくいなとは思(略)


《黒魔族復活の棺》がもう少し安ければデッキを考えるのだけれどもなあ、という感じです。破壊した相手を除外する効果が地味にペンデュラムに有効なのでエースとして使いたい意味は多大にあります。
あるいはせっかく最近セルフバウンスばっかり組んでいるのだから安直にリビデ幻泉から始めても良いのかもしれません。相手エンドリビデ。魔法拾って自分ターンに8エクシーズして墓地へ。拾った魔法で適当に回収持ち作ってリビデ回収。なんという雑プラン。


【魔導】絡みで使えそうかなとボンヤリ思い続けて一度も試したことがありません。せっかくラパンデに対応しているのだし、テンペル強いと思うのですけどねえ。




・《BF-疾風のゲイル》


オネスト解除と同じタイミングなあたりに何か感じるところが無きにしもというか。
これでBFは(ブリューナク等シンクロ体は別として)完全復活を果たしたことになります。決して侮れない。
登場当初は「1枚でスターダスト・ドラゴンを倒せる」存在でしたが、今でも「1枚でフレシアを倒せる」存在です。そう思うとやはり強い。グランモールと違って自身にss効果があることが大きな差です。


計算の処理だけ面倒なので、また勉強し直さないとなあと。




・《マンジュ・ゴッド》


ネクロス規制のために汎用儀式サポートが潰されたのだから、ネクロス本体に規制がかかれば汎用儀式サポートが帰ってくるのも当然の理屈、という気がします。
マンジュに対するセンジュのアドバンテージが無くなってしまうあたり準でよかったような感じはないでもないですが。
《儀式の準備》が制限のままならば、まあ良いかな、とは思います。


《聖占術姫タロットレイ》で裏にして反転して再度利用するのが思いの外強力だったので、相変わらずまだどこか怪しいところのあるカードなのかなという気はしています。
余談ですが最近は《ブーテン》でチューナーにするのがマイブーム。




・《フォーミュラ・シンクロン》


3枚になっても3枚搭載するデッキはなかなか無いように思われます。2枚が限度という感じ。
これを3枚使うデッキというのも組んでみたい気持ちがあるかもしれませんが。チューサポあたりとで延々ドローしまくったりとか。そういうエクゾも考えられそう。
バルブの項に書いたデッキにて2枚採用しており、1ドローよりも相手ターンシンクロのほうに魅力を感じるようになっていたので、興味はあるかも。


これに調子づいてライブラまで帰ってくることが無いように祈るばかりです。




・《発条空母ゼンマイティ》


フォーミュラに比べると3枚になる意味がありそうなカード。デッキを掘って1枚目のマイティが2枚目のマイティを作るなんてことがざらにできそうで、2枚目のマイティがまた3枚目のマイティを作って、後でマイティ3枚戻しながら貪欲な瓶撃ちまーす、とか。知りませんけども。竜星でやってろ感。
未来皇ホープを使う時には便利な存在でしたが、3枚目を使うとなると新しい軸やデッキ内のゼンマイモンスターのバランスまで含めてあれこれ考慮が必要そうな感じ。


《SR ベイゴマックス》あたりから先攻ランク3展開は容易になっているのであり、何かができそうな予感ばかりしています。
概ね悪い予感。




・《簡易融合》


元々ノーデンの存在のために制限入りしたようなカードだったので、ノーデンがいなくなってこちらが解放されるというのもわかりやすい話です。
ただエクストラデッキの四次元ポケットシステム自体あまり好きではないので、15しかない枠を圧迫するという裏目を差し引いてもそんなに歓迎したいカードではなかったり。


AF系に入れてパンツァードラゴン2,3枚出しますか。
あとはレベル帯の使い分けができるので、そういう戦略は試してみたいかも。




・《魔法石の採掘》


なぜ今回なのか。まったく異論はないのですがタイミングだけ不可解です。
忘れてたんじゃなかろうか。


9期に入り手札コストであっても墓地に落ちれば効果が発動するカードが増えているため発動自体は低リスクになってきているカードだと思います。拾って強い魔法カードのほうが実は無かったりするんだろうか。でも《聖なる魔術師》が帰ってくる気配は微塵もしないのですよねえ。




・《転生の予言》


同名カードを戻してくるくるするのが問題だから戻したのではなかったのか。それが問題にならないと判断されたから一発解除ということになる。
そういう発想があるなら《深淵の暗殺者》あたりも適当にエラッタかけて返してあげればよいのにとか思います。


ランダム墓地肥やし系の緩和と何か兼ね合いがあったりするのでしょうか。
多分に墓地利用をしたいコンボ系デッカーにはきついカードではあります。《悪魔の嘆き》あたりでも思っていたことなのでそんなに関係無いのかもしれませんが。




・《奈落の落とし穴》


むしろ規制強化されてもおかしくないと思っていたのですが。激流、脱出に続いて海外制限と明確に方針を違えていきます。前衛が健在であることをそんなに許せないのか。
ペンデュラムに対する対抗策として期待されるところではあります。【HAT】には追い風なのでしょうか。


元々趣味の良いカードとは言えないので、バックを捌く能力に欠けるある程度以下のレベルのデッキをこれだけで蹂躙して偉そうな顔をする人がまた現れたりするのだろうかとか思ったりしますが(経験有)、そもそも激流無制限の時点でっていう話でした。


《フレシアの蟲惑魔》との関連性については知りません。






○いろいろ


悪い改訂ではないとは思います。ただ環境トップをひた走る【EMEm】に何の言及も無いのは、まあ仕方が無いのだろうかとも思いますが、うーんという感じ。
慧眼を規制するだけのことができるならペンマジにツッコミが入ってもよかったはずなのになあと。


よく言われていますが0701改訂でできなかった内容では決してなかったはずです。例外は魔術師に関連する慧眼・7月新規に関連する奈落くらいか。
状況に即時対応するつもりが無いのであれば制限改訂の回数を増やした意味はありません。余計な煽りでユーザーを混乱させるだけです。そういう意味も含めてユーザーに対する態度もどうなのと思いますし、そういう話をするならユーザーの態度だってどうなのという感じで、ロクな界隈じゃねえなという感じです。


この記事も後半になるにつれて露骨に文章を考えるのが面倒になってしまったので←、緩和されたカードの使い道だとかデッキへの影響だとかはまたおいおい考えていきたいなとは思っています。
バルブは4枚持っていてちょうど使えそうなデッキが4つくらいあるので、そのあたりは悪くない感じでした。


「大会のシーン」と「大会ではないシーン」に明確な差別を設け、前者を1強にして盛り下げる一方で後者を比較的盛り上げるように見える改訂でしたが、正直将来的な展望なんて何も考えてないのではないかという気がしてきました。
コナミは「これまで」のことは割と考慮するようになっている気がしますが「これから」のことを見ると途端に商業的な態度しか取らなくなっているように思えます。お上が「今後どんなデッキが活躍するか」を見るということは「今後どんなデッキを活躍させたいか」ということを操作することと同等です。確かに今回六武やBF、シャドール、ライトロードのような緩和勢の活躍を目指していることはわかりますが、それで現在の環境に食い込めると本気で考えているのかという話です。
コナミにとっての「これから」とは、「これからどんなカードを売っていくか」であって、「これからのゲーム環境がどうなっていくか」ではないのではないか、と思わされました。


割とやってられない感じもありますが、改訂内容そのものは最悪はなかったのだと言い聞かせて心の支えにしています。
今回の改訂は「これまでの露骨な問題点に触れつつ」「今ある顕現していない問題点を浮き彫りにする」改訂であると思っています。
自分の考える適切な環境で適切なデッキを使って遊んでいくように心がけ、なるべく勝手に精神的な負担を感じることのないように気楽にプレイしていきたいものです。


長々と失礼いたしました。ではでは