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【遊戯王】2014年4月 制限改訂

もう既に施行されてんじゃねーか!というツッコミはさておき。
予想もなんもしてなかったので後付けっぽくなりますが、今後の見通しを再確認しておきたいという個人的メモとして書いておきます。
 
 


 
○禁止
・ゼンマイハンター
・血の代償
 
○制限
・焔征竜―ブラスター
・嵐征竜―テンペスト
・瀑征竜―タイダル
・巌征竜―レドックス
・発条空母ゼンマイティ
 
○準制限
・七星の宝刀
 
○解除
・魔界発現世行きデスガイド
・激流葬
 


 
 
○新禁止
 
 
・《ゼンマイハンター》
 
のっけからこれかー。あんまり苦言ばかり書きたくはないのですがちょっとこれについては色々ある。
 
3年前、エクシーズ召喚システムと同時に登場した「ゼンマイ」カテゴリなのですが、その全体で見てみた場合、あまりにもコナミに振り回されているように思えます。マイティの制限→緩和はまだしも、マジシャンの制限→解除のとんぼ返り、シャークという末端への規制。
そもそもデザイン上、エクシーズを象徴するカテゴリとなっていたはずなのです。それがなにゆえにこのような振り回され方をされているのか。
 
一つにはデザイナーの想像を上回るユーザーの悪用が挙げられます。これは完全に制作元が白旗を掲げたパターン。《マスドライバー》などが典型例ですが、まさかここまでのソリティアをされるとは、とあちらも苦笑いしていらっしゃることでしょうと思えるようなカードが遊戯王にはいくらか見られます。後述しますがマイティなどはその一環なのではないかと。
今回このハンターについてはその延長にあるものであるといえます。おそらく開発陣は先攻5ハンデスなぞ考えてもみなかったのではないでしょうか。Xセイバーの前例を忘れたんですかね……
虫・聖刻期だったと記憶していますが、あの「【ゼンマイ】だけ別ゲーやってる感」は酷いものでした。
 
整理してみますと、元々の問題は「ゼンマイの5ハンいい加減にしろよ問題だよこんなの!」であり、「じゃあ規制してそんなことできない体にしてやろうか」となったわけだったのですが、それでいざどう規制をかけるかという段になってかくのごとき行ったり来たりのとっ散らかったレギュレーション遷移が生まれたわけです。
これについては2つの見方ができまして、1つには「そもそも5ハンできるくらいハンターを回せるような展開力がおかしいんだ、これはハンデス関係無しにオーバーパワーだからデッキの主要パーツを弱体化させるべき」というもの。この考え方が取り入れられたとするならばマイティ・マジシャン・シャークあたりに規制をかけてきたのもまあわかるのですが、一方でシャークの規制時期=暴れてもいないのにオーバーパワーと判断された事例が非常に不可解になってきます。様子見程度だったんかなーと思っていますがそういうことは売るまえにやれよ。
もう1つの見方は「ハンデスどうこういうならハンター禁止にしろよゼンマイってそういうデッキじゃねえんだよ」という意見。一理あるのですが、《魔導書の神判》を彷彿とさせる1枚ゲー感を認める形になるのでこれもまた販売元にとっては不格好・不名誉なものです。短絡的でもあり、そういう問題なのかな、という気にもなります。しかし前者の見解を採択した結果としててんやわんやだったコナミの調整です。ハンターも登場からかなり経つわけで、もういいんでない、という感じ。
 
今回はマイティの緩和と併せて明らかにコナミが匙を投げた形です。
まあ不毛というか今更というか、何やってんだか、ではあります。よく言われていますが、もうコナミハンデスやらないほうがいいよ調整できてないから、という話にもなる。
結果として落ち着いた場所は、癌になっている1枚を無かったことにするだけ。エラッタほど露骨ではありませんが、やはりカードゲームのデザインとしては非常に情けない回答であるように思えてなりません。
 
余談ですがWiki見たら「獣戦士族初の禁止カード」と書かれていてへえーと思いました。
黒枠初の禁止カードも輩出した【ゼンマイ】でしたが、あんまり名誉なことでもないですよねえ。
 
 
 
・《血の代償》
 
色々な理由から私は代償が嫌いです。その意味でようやくちょっとスッキリした。
 
代償が規制される可能性については以前から考察してきました。今回のタイミングは妙だなとは思いましたが、結果として禁止されるのであればまあ時効で逃げられずに済んだかなという印象。
こういう、いや確かにスペック的には妥当だけどさ、とも言いたくなるよくわからないタイミングでの禁止化は洗脳を思い出しますね。
 
基本的に私が代償に対して良い評価をしていないのは、「自分が強い時にだけなお強い」カードであるという印象があるからでした。【ガジェット】などあまりにも露骨ですが、自分の場(手札)に展開できる用意があり、かつライフにも余裕がある、そういう場面で1枚しか入っていないこれを引いたら勝ち。クソゲーだよ。
相手ターン中の通常召喚というのはおもしろかったのですが、それよりも回っている時の暴力的な理不尽さの稼ぐヘイト値のほうがよほど上回りました。
握ってる奴が勝つというのはゲーム的にどうなんだろうと。あまりサイクロン等を入れていないからこういう文句が出てくるにすぎないのかもしれませんが、しかし「ガジェに負けた」「マドルチェに負けた」というよりは「代償に負けた」という感覚になることのほうが多かったです。
自分で使っていても良い気がしませんでした。主に【スピリット】系統のデッキで使っていたのですが、だいたい相手には難色を示され、互いに険悪なムードになっていたように思えるのは気のせいではあるまい。
 
デッキ→手札、や墓地→手札、の手段が増加し、要は時間を追うごとに=カードプールの増加ごとにハンドコントロールの容易さが高まっていくのがOCGの定めなのですが、それじゃあ代償は時間が経つごとにただ強力になっていくだけじゃねえか、ということにもなります。
今回はそれがボーダーラインを超えてしまったと判断されたんかなーと思いました。
 
よく言われている「ペンデュラム召喚との役割の類似」はそんなに関係無いと思います。
コナミの意図としてではなくゲームにおける影響としてという意味ですが。
 
 
 


 
 
○新制限(規制)
 
 
・《焔征竜―ブラスター》
・《巌征竜―レドックス》
・《瀑征竜―タイダル》
・《嵐征竜―テンペスト
 
何か言い残すことは?
 
征竜の功罪については様々に意見が持たれるところですが、特に驚くでもない声が多いようでした。
そりゃあそうだわな、と。2月・3月の大会入賞レシピを見ていてもわかりますが、結局準制限にしたところでやっていることは変わらなかったわけです。
上位入賞デッキが無条件で私怨を溜めるということを差し引いても、2月改訂を経た後の【征竜】というデッキに何かしらのメスがなお入れられるべきであると考えていた人は多かったと。
 
個人的に強調しておきたいのは、征竜がいかにデッキを食い物にしていたか、ということです。
ピンででも入れてあれば誰でもわかります。例えば炎属性主体のデッキにブラスターを入れれば墓地から炎2体が消える代わりに往復1ターンは28打点が呼び出せるわけです。少しでも気を抜けば、デッキのパーツの大半がブラスターのための餌に成り下がります。
何度でも言いますが、「征竜は優秀な属性サポート」という考え方は明らかな間違いで、それはただ虎の威を借るに堕しただけであると思っています。
だってすげーつえーんだもんあいつら。そりゃ目も眩むわ。特に打点の高いブラスター・タイダルならば、使うにせよ使われるにせよそれを痛感することも多かったのではないでしょうか。
 
私も【エリアブリンガー】【カラクリインティクイラ忍者】あたりで主に経験しましたが、デッキを回すために入れたパーツであるところのタイダルやレドックスが、いつの間にかデッキに選んだ札を消費して場に出るようになっている。
墓地に落ちた資源を最後まで有効に活用している、といえば聞こえはいいですが、ちょっと胡散臭い感じ。
チーム強化のために呼び込んだエリート選手1名のためにチームそのものが作り変えられていくかのような。じゃあ他のメンバーの立場は?
今週のハイキューがそんな話だったなあとかふと思い出しました。
 
つまり何が言いたいかというとピンになった程度で征竜の脅威は去らないよ、と。
【征竜】というデッキは力を失うでしょうが、「征竜」を冠する4枚はまだまだ今後も元気ハツラツですよ、と。
そういう懸念というか、了解が要るかなと思うのです。
 
 
 


 
 
○新制限(緩和)
 
 
・《発条空母ゼンマイティ》
 
まあだいたいハンターのところで書いたことの繰り返しなのですが、「デッキ・墓地からss」という最強のリクルート効果なのでそりゃ弱いわけがねえよ、ということは大前提。その上で「とんでもない化け物が出て来やせんか?」「出てくるものがひどく悪いことに使われやしないか?」という懸念。ハンターの禁止化はこの後者を潰しました。そしてゼンマイには概ね「単体で機能する」「とんでもない化け物」というようなモンスターは目下あんまりいません。これは何も《ゼンマイマジシャン》や《ゼンマイネズミ》をこき下ろしているのではなく、あくまでも「ロンファからティタが出てくる」規模の出来事は起きないよというだけの話です。
ゼンマイの多くは単体では機能しません。ある程度の連れ合いないし一連のコンボルートが前提となっています。破壊神ニャンコとかいう例外もいるみたいですが
 
スペックとしては斯様に強力なのは周知の通り、欠席していた期間の間にどれほど周辺環境が変わっていたのか、まずは禁止復帰カード恒例プチ浦島太郎現象を味わうところかなと。
ちなみに私はマイティ復帰を半ば前提として組んでいたデッキが1つ2つありましたので今後そちらに着手してみようかなと思っております。うえっへっへ
 
 
 


 
 
○新準制限(緩和)
 
 
 
トーナメントシーンで使われなければ緩和してもいいってわけじゃあないんですけどねえシリーズそのいち。
 
強いです。誰でも思い知っている。特にPTDS期に本格的に遊戯王を買うようになった私にとっては個人的にも思い出深い。まあトラウマめいているというほうが正しくはあるのですが。
先にも書いた通りカードプールの増加はカードコントロール能力の増加を端的に意味する側面があります。ならば墓地利用などなお簡単なことなのでは、と思っているのですが、墓地闇3体の呪文が唱えられる機会は今後どうなることやら。
 
【甲虫装機】が一番怖いかなと思います。逆に自分が使おうとしてもいるので多少追い風でもあるのですが、なんか素直に喜べない。
自分が使ったことも、相手に使われたことも数多く鮮明に覚えているカードです。ユベルで使い、ヴェルズに使われ、インゼクで使い、カオドラに使われ。それが今後頻発するのは、このようにお互いに利があるとはいえ先に出して攻め切ったほうの勝ちで終わるような気配があって怖いよねと。
 
冷静に考えてなぜ緩和されたのか本当に読めません。環境トップ層で見かけることがなかったというのは一つ否定できない事実ではあるのでしょうが。
前回のゴーズに引き続き、面倒だなーと。ただそれだけです。良し悪しでいえば基本悪いのですがまあ文句言っても仕方ないですし様子見。
 
 
 
・《七星の宝刀》
 
そりゃそうだろうけどさ、露骨だよね。という感想です。
 
征竜という目の上のタンコブを制限にまで落とし込めば、マーケティングとしてこちらを復帰させたい心理は当然だろうなと。
なんとまあわかりやすい。そりゃあ1つのパックからスーレアが4枚も制限になってちゃあ売る気にもならんでしょうけどさ。
 
征竜が制限になり同名カードのサーチができなくなった以上はこのカードの除外コストも相対的に重くなったということであり、そうして冷静に見てみると1ターンに1度しか使えないことも含めて《トレード・イン》あたりの互換としての立場がだいぶ低くなってきます。
もともとソリティアを加速させるカードという感じの印象は薄いので(七星の宝刀でコンボ進める人もいますが)、征竜を除外する意味が減った以上は完全緩和でもおかしくはないのかもなあと。
 
でも《封印の黄金櫃》にはこのまま制限でいてもらいたいんですよねー。
というのは、わがままですかね。
 
 
 


 
 
○制限解除
 
 
・《魔界発現世行きデスガイド》
 
そもそもなんで規制かかってたんだっけか。自分の分析を見返そうと思ったらそのころブログ休んでました。
《クリッター》禁止の段階で案外もうどうでもよかったのかもしれません。
 
現状の役割は「ランク3を一手で出す」もしくは「悪魔族をリクルートする」であり、前者はちょうど今回緩和されたゼンマイティなどが適しているでしょうし、後者ならば《トリック・デーモン》が今後ホットになりそうです。
というのも別に今に始まった話でもなし。目新しさも無ければ感動も起きない。
 
《輪廻天狗》だけ今後ちょっとマークしておくべきかもなあという程度です。あれはまたちょっと違う意味で問題なので。
 
 
 
 
カードが別物になっているので一概にどうこうは言えませんが、それでも縛り無しでエクストラに入る最低1400バーンってどうなんっていう話です。
ただでさえガンマンの800ラインに納得が行っていないのに。
 
メイン1でしか使えない制約を忘れることが多そうなので注意した方がよいかもですね。
既に動画もアップロードされていますが、幻獣機との相性が色々と抜群なので怖いです。
【星邪メガロック】に入っちゃうのがなー、なんだかなー。
 
それよかエラッタに対するブーイングですよ。一言で表すなら「恥を知れ」。
 
 
 
・《激流葬》
 
トーナメントシーンで使われていなければ緩和してもいいっていうわけじゃあないんですけどねシリーズそのに。
……っていうかこっちはトップでも平然と使われてたでしょうにさ! おかしいだろ!
 
「激流ケア」という言葉の指す意味は、「展開前に除去する」か、「流されても再展開できる」かのどちらかで、どちらにせよリソースに余裕がある時にしかできませんそんなこと。
「罠を踏みに行く」という駆け引きの可能なトップレベルのリソース確保能力ならびに展開能力があるならば確かにこのカードの解除は楽しめるのかもしれませんが、相手のバックに罠が無いことを必死で祈りながら恐る恐るコンボを繋いでいくファンデッキにとっては暴力でしかありません。
冷静にデッキを見渡してみても平然としていられるのがスタダとベエルゼくらいだった。
 
2枚だったからまだ勘弁、というところはありましたが3枚はちょっと厳しいですよ大将。
誰でも激流3を進んで積めるデッキばっか組んでるわけじゃあないんですしさあ。だいたい奈落脱出もそうですけど妨害のタイミングがやらしいんですよ。ミラフォがなんとなく許せるのはそのせいなのかなと思います。
 
一つ何か要因があるとすれば先攻ドローの廃止でしょうか。初手が1枚足りない先攻にとっては、先出しで強い罠を引いていなければ厳しい場面も想定されます。
その意味で《大嵐》禁止を覚悟していたのですが、むしろ罠のほうを増やしてくれおるとは。
 
お互い場を流しまくって更地を作り合うというのは、お互いにコンボを披露し合う、というコンボデッカーの理想的シーンとは対極にあります。
頑張ってコンボ考えるのがアホらしくなりますね。環境上位はそんなこと露もお構いなしなんでしょうけど。あと言うほどお前コンボ考えられてないからな
 
 


 
 
○総括
 
 
なんか知らんのですがずーっと《強制脱出装置》が制限に行くものだと思っておりました。
どっかで見たガセでも信じ込んでたんでしょうか……ついったでもその前提で何度か発言していたような気がします。申し訳ない&情けない限りです。
まあ「脱出が制限なのに激流解除かよ! 頭おかしいだろ!」という疑念は解消されたのですが。
 
 
ペンデュラム召喚のシステムに対してどうこうアプローチするというよりは、基本的に2月の段階でこの形になっていてもおかしくはなかったかなという程度の結果に落ち着いたように見えます。
ただし激流ダムドを除く。何だお前ら。
 
 
非常にどうでもいいのですが、今回の4月改訂にあたり「神智」「モラルタ」「ネブラ」「エンジェリー」といった名前を目にすることが非常に多かったです。
11月登場のネブラですら大概だというのに、2月に出てまた1カ月程度しか経過していなかったPRIO勢を制限候補に挙げるというのはどういうことなんでしょうかね。
もっと冷静になるべきだと思います。カドケウスだって結局値下がりしてきているわけです。
 
 
劇的にダメージを受けるようなデッキも無いので、今後はマイティで艦これごっこを楽しみたいと思います(ぇ