悠久フィロソフィー

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あらためも1: 動画が楽しい面白い とは

7月ですね。梅雨空以前に五月病から抜け出せません。年中行事。
あらためです。
 
 
以前より構想していた考察というかメモというか随筆的な雑文を書いてみようと思いました。
恒例のコーナー化するかは未定ですが、題材の続くうちは不定期にでも思考を残しておこうかなというところです。
放っておいてもあれこれ考えを撒き散らす性分であり、玉と石とを問わず散らかしっぱなしは見苦しいので。
 
 
プロットを充分に練った筋道の立った議論であるとかそういったものではないのであらかじめご了承ください。
意見や内容があっちこっちに反復横跳びする可能性は大いにあります。また、私個人も動画について造詣の深い人間であるとはとても言えません。現実味の無い・世間知らずな論調が続くことになるかと思われます。
あくまでも随想的に、最悪備忘録程度の役割を目指し、あるいはどなたかの考えの参考になれば幸いであるかなと。
反面教師の趣きが強いかもしれませんが……
 
 
 

○テーマ:「楽しさ」「面白さ」

 
前置きが長くなりましたが今回考えたいのは、動画において「楽しい」「面白い」と評される点とはなんぞや、ということです。
 
 
かれこれ、私がデュエル動画を投稿し始めてから、あとひと月弱で1年になります。
それだけの期間に、19本のデュエル動画、2本のボツ動画、3本の開封動画をアップロードしました。
このように「アップロードしました」と事務的に業績を報告するだけであるならば紛れも無い数値をただ並べるだけで気楽なものなのですが、現実問題としてそう簡単に済ませたくない心理が働きます。すなわち、自分が上げたこれらの動画は一体どれほど有意義なものであっただろうか?と振り返ることになるわけです。
 
 
もちろん動画作成中も可能な限り努力し(また可能な限り妥協し)、ある程度の内容を見出せるようなものを編集するようにはしています。
全くの無価値、無意味、味もそっけもない10数分と数メガバイトニコニコ動画に晒すような真似をしたいという方はそういらっしゃらないのではないか、と思います。
もちろん、まあそりゃあ良いものであるに越したことは無いわな、という程度の言い方のほうが適切かもしれませんし、極論、自分自身で一切の価値を見出していなくても、見てくれる不特定多数の中にはこれを認めてくれるような物好きもいないとは言い切れまい、という態度でも何ら問題は無いとも思っています。否定はしませんし、事実自分にもその気があった時期が認められます。ていうかこのページの先頭に同じこと書いてありますね。
 
 
要するに、最低限投稿者を含む誰かしらが楽しいとか面白いとか思え得るものがアップロードされるに至るわけです。
しかし、では、動画の何が楽しいのか。何が面白いのか。
 
 
動画が有意義であることとは概ね「楽しい」「面白い」といった評価が与えられることと同等であるといえます。他に言葉を探すならば「参考になる」とか「凄い」とか「気持ち良い」「感動した」「ハラハラした」とか、何にせよポジティブなものです。
これは何も遊戯王対戦動画に限ったことではない、娯楽を享受する上で何であれ言えることであるのかもしれませんが、逆に動画も趣味の一環として捉えられる以上はこういった判断基準を免れません。
 
 
一言に「楽しい」「面白い」と済ませてしまうことは簡単です。楽しければオッケー面白ければオッケー。それは当然です。楽しい面白いが成立している時点で勝ちですし成功です。
成立しないから困るわけです。
どんな要素に楽しさ、面白さ、プラスの評価を下すのか、またその各々の気に入った方向性に向かってどの程度やり遂げていれば琴線に触れるのか。
 
 
こうしたことについて一定の結論を下すことがおよそ不可能なのは今更言うまでもありません。
だからこそ例えば自己満足というのが最低限のハードルとして用意されることになったりするわけですが。
 
 
 

○カードゲーム的観点

 
 
特に遊戯王の場合(あるいは、カードゲームの場合全般?)において事情が複雑なのは、ただ単にガチで勝負していれば良い内容になるかといったら必ずしもそうではない、という点です。
むしろ、ガチ同士の対戦ではマイナスな印象が付随することが多いように見受けられます。理由は主に以下の3点にまとめられるのではないかと考えています。
 
 
1つ目、既にカードの動き方が周知のものとなっているようなメジャーなカードばかりの内容では目新しさに欠けるため。ユーザーもプールも今や莫大なものとなり、多くのプレイヤーが日々盤面と対峙している昨今において、「見たことのあるいつもの動き」という言葉の響きの悪さは字面以上のものとなっているのではないでしょうか。
 
2つ目、同じくプレイヤーであるところの視聴者が環境上位に君臨するような強力なデッキや1枚数千円もするような高額カードを見ていて素直に良い印象を持つばかりでもないため。これは正直ゲーム提供者にしてバランサーであるところのコナミにもいくらかの問題がある気はしますが。
 
3つ目、やはり独自性や意外性を見たいという声が強いため。1つ目の裏返しです。
 
 
言い換えれば、逆に、これらを満たしていれば良いということになるのではないか、と考えられます。
ノルマを達成するようにチェックリストを埋めるようにこうした条件を満たすことが必ずしも良い内容を導くとは限りませんが(むしろ私はそういう打算的態度は苦手です)、ゲームの内容としての面白さの根拠を固めるためには意識しておいて損は無い点なのではと思いました。
 
 
実は上の3点は結局同じことを言っていて、遊戯王というゲームの中身、という文脈において優先されるのは、結局のところ「独自性」や「意外性」といった言葉で表現されるような要素、ということであるといえるのではないでしょうか。
これらは様々な形で現れます。思いもよらないコンボや奇抜なデッキという「構築」に、まさかの一発逆転デステニードローという「ゲーム展開」に、特殊な縛りや制限をかける「企画性」に、その他のあれこれに宿るものであり、それだけ多様な形態で表現・発信することのできるものです。
 
 
そしてなお、これらはまた、どの程度までをやり遂げれば充分にオリジナリティがあると言えるのか? と、何を出せば、何を使えば、といった形で細分化していきます。
私見では、このあたりが現在最も立て込んでいるのでは、という印象です。
デッキの面白さ、というものと、コンボの面白さ、というものもまた異なります。またデッキの面白さと言っても、特定のモチーフをとるファンデッキ・キャラデッキと40枚をフルにギミックに活かすデッキなどの区分によってまた質が異なるものになってきます。
これらの線引きは曖昧で、そもそもファンであるとかネタであるとかカジュアルであるとか、そういった言葉の定義すら人によりバラバラだったりします。
 
 
デッキやコンボの中身、という項目について考えるのであれば、無視できない要素として「ADS動画」の存在がありますが、今回は言及を避けたいと思います。
ADS動画とデュエル動画の比較についてはまた別の機会にぜひ検証してみたいと企んでいます。
 
 
以上、ひとつの面白さの指針について列挙してみました。
ただし注意しなくてはならないのは、ここまでの流れの前提は「遊戯王というカードゲームとしての面白さ」という文脈で進んできた考証である、ということです。
デュエル動画というからにはデュエルをする動画であり、面白さを見出すことのできる点は遊戯王にまつわる点ばかりではありません。
すなわち、「動画」としての面白さ、というものもまた、挙げられるのではないでしょうか。
 
 
 

○動画作品的観点

 
 
これは極端な話、遊戯王の対戦動画でなくとも通用するような面白さということになります。
 
 
例を挙げるならば、落ち着いた/賑やかな/などの雰囲気、手の込んだ編集、センスのあるBGMやサムネイル含む使用画像、茶番、あるいはゲーム中のトーク、ギャグ、その他ネタなどです。
これらは動画中で行われるデュエルの中身とは直接には関係しない、形式の問題であったり、独立したユーモアであったりします。
言ってみれば動画作品としてデュエルの光景をアップロードする際に付け加えることのできるオプションのようなもので、使用しないこともできますが、また使用することが必ずしもメリットになるというわけでもありませんが、動画単位で見る際には除外することのできない要素であり、評価の対象となります。
 
 
茶番やトークを想像してみれば顕著であると思われるのですが、それ単体で面白いネタというものはそのまま動画の面白さに直結するところがあります。
ある意味ではバラエティ番組的な、摂取しやすい要素といえます。
ともすれば遊戯王のルールを細かく知らない視聴者が見てさえも楽しめるものなのかもしれません。
 
 
私個人はデュエル動画を見るようになったのも最近のことで(流石に動画投稿よりは以前から見ていますが)、あまり古参な動画を見てきてはいないのですが、こうした点について手が加えられるようになったのも、比較的新しい話なのではないでしょうか。
特に編集という点においては、遊戯王に限らない動画界隈の発達、情報共有やソフトの発展、投稿者のPC環境など、時代の変遷に大きく左右されてきたことが想像できます。
 
 
一方で例外があり、いわゆる「闇のゲーム」はゲーム内容以外の面白さ=ノリ、雰囲気で勝負していた根源であるように考えています。
デュエル動画の期限が「闇のゲーム」本家様であるとすれば、最初からこれらを無視してはいなかったともいえるでしょう。
 
 
もちろん先に触れた通りこうしたものが一切無い場合も多々あります。不要である、手間である、と理由は様々あり、そのいずれも間違いではありません。
そもそもそれ以前に、これらはあくまでも実際そこで行われている対戦の内容とは無関係なものであり、決してこれらを重視することがゲーム内容の質を高めることを意味してはいないのです。
「装丁」に無闇に凝っていても、本体の中身があまりにかけ離れていたのであれば、それではあまり意味があるとは言えないはずです。
 
 
また、内容には関与しませんが、動画自体のステータスもこの項目に含まれるのではないかと考えられます。
音質、画質、あるいは再生時間のような点です。
時間については各々の基準によるのみですが(シングルかマッチか、デッキ紹介等の有無など)、音質や画質についてはおよそ機材や撮影環境に左右されるばかりであり、必ずしも意識だけで解決できるものでもないのではと思います。私も現在苦しめられております。
 
 
 

○ひとまず総括

 
ということで、過剰に細かく分類することは避けましたが、ざっくり言ってデュエル自体の面白さとデュエル以外の面白さがある、という話でした。
 
 
個人的にこういった場所で固有名詞を出すことが大変苦手でして、それゆえに具体例を出してこの動画さんにこの傾向が見られますといったような言い方ができないため、わかりにくくなってしまったところがあるかもしれません。
それを差し引いても妙に堅苦しい長ったらしい文章になってしまいましたが、そういった反省はまた別として。
 
 
「何をしたら面白いか」「どんな雰囲気が楽しいか」といった実際的な検証については踏みこめませんでした。目下模索中の私が暫定的に過ぎない答えを安易に出すものでもないのかなと。もし簡単に答えが出せるようであればとっくに自分でやっているところです。
ギミックを回すのが楽しいのか、マイナーなカードを使うのが楽しいのか、ワイワイと賑やかに卓を囲むのが楽しいのか、はたまた落ち着いた真剣勝負が良いのか。このあたりは投稿者の趣味であり、参加者の意向であり、動画の性格となるものであるはずです。
一概にこれをこうすべしという正解が無い、ということは誰しも承知済みのことであると思われます。それだけに、最低限動画内でだけでもその方向性は統一されて示されるべきなのかなと。
 
 
ちなみに「新たなエンタメ」においては「ライトな闇のゲーム」を意識していたりするのでメンバーの皆様はそのつもりで(業務連絡)
 
 
以上、「どうすれば伸びるか」というような実践的な内容にはカスりもしない抽象論でした。
正直再生数やらコメントマイリスやらといった数字に関する興味は私の中でガンガン薄れているので、そのあたりについては今後しばらく何も言えないのではと思います。
人脈やファンが多ければそりゃ数字は増えるよね、という話もありますが、ぶっちゃけそういう考え方はあんまり好きではないです(コミュニケーションそのものを否定するわけではないですが、念為)。
 
 
 

 
 
閲覧ありがとうございました。
今後時々こういった形での更新をするかもしれませんので、普段に増してくだらないことを言っているなあと笑っていただければ幸いです。