悠久フィロソフィー

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トラスト・マインド

考察対象:トラスト・マインド


トラスト・マインド 通常魔法
自分フィールド上に存在するレベル2以上のモンスター1体をリリースして発動する。自分の墓地から、リリースしたモンスターの半分以下のレベルを持つチューナー1体を手札に加える。


チューナー限定のサルベージカード。
コスト1体を要する。

つまり2か3なら1を、4か5なら1か2を、6か7なら1か2か3を、8か9なら1か2か3か4を回収できる。
この数値が表すとおり、決して回収効率がよいとはいえない。
『霞の谷の戦士』『フレムベル・マジカル』等のレベル4チューナーをサルベージするためだけにレベル8モンスターを犠牲にするというのはいささか割に合わない。
できるだけレベルの低いチューナーを対象にしたいところ。
レベル4を生け贄にして『クレボンス』を回収できるあたりが救いか。

サルベージカードは他にも数多く存在する。
ノーコストの『ダーク・バースト』なり『闇の量産工場』なり『サルベージ』なり、デッキを統制すればこのカードよりもはるかに使いやすく、チューナー以外でも回収可能なカードが存在する以上、このカードの出番はおよそ回ってこないだろう。
コストを踏まえるにしても『死者転生』という高い汎用性をもつサルベージカードがある。

以上のカード群との差別化をするためには、コストを要するというこのカードの特色を活かすことが挙げられる。
例えば相手モンスターをコントロール奪取しこのカードのコストにするなど。
しかしそうはいっても『精神操作』では無理で『洗脳-ブレインコントロール』は制限カード。そもそもコントロール奪取したモンスターをそのままシンクロ素材にするほうが圧倒的にリスクが少なく、わざわざこのカードと併用させる意義も薄い。
また、都合のよいレベルのモンスターを奪えるとも限らない。
結果、コンボカードとしても微妙な効果となってしまった。

サクリファイスエスケープに使うことができるカードに多い書かれ方をしている。
それなのにこのカードは通常魔法である。
戦略を乱すためには到底使えない。

一応墓地に送る必要はないためトークンをコストにすることは可能。
しかし『スケープ・ゴート』の羊トークンや『終焉の焔』の黒焔トークンはレベル1であり、このカードを発動させることができない。
レベルの高いトークンを作る手間をこのカードのためにかけるのは少々惜しい。
強いて、特に使う予定もなく残った『堕天使アスモディウス』のトークンくらいだろうか。
それでもレベル1、2しか回収できず範囲が狭い。

しかし逆を言えば、今後コントロール奪取が強化され、低レベルでも有用なチューナーが現われ、かつそれが『ダーク・バースト』等に対応しておらず、『死者転生』の手札コストがよりウエイトの大きいものになり、コントロール奪取が強化されれば、このカードの活路も見出せるかもしれない。
せいぜい期待してみよう。

『光神機-桜火』など自壊するモンスターをコストにするという使い方もある。
しかし基本的には『強制転移』でやれ、という話である。

コストはリリースであるため、『クロス・ソウル』とのコンボは一応可能。
何もコントロール奪取の限りではない。
裏側表示でもコストに使うことはできるため、相手セットモンスターを生け贄にすると妙なスリルが味わえる。

墓地で星を数えるため、『シンクロン・ヒーロー』などによるレベルアップとは噛み合わない。
高レベルチューナーをこのカードで拾うのはかなり難しい。

最高レベルチューナーの『A・マインド』ともなると、回収にレベルが10も必要となる。
自壊する『オベリスク巨神兵』や出しやすい『トラゴエディア』あたりでいけるが、そんなカードを投げ打ってまで回収する意義があるかと考えるとそれは首肯しがたい。

トラスト・マインド。
トラストは信頼、マインドは意識。
後の展開に信頼を託してコストに散るモンスターを示すのだろうか。
妙にカッコいいカード名なのだが、中身が追いついていない。

イラストでは『冥界の魔王 ハ・デス』が生け贄となり『ダーク・リゾネーター』が復活している。
一応カードテキストに即しており、現実にも再現可能なシーン。
妙にカッコいいイラストなのだが、中身が追いついていない。