悠久フィロソフィー

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死者の生還

考察対象:死者の生還


死者の生還 通常魔法
自分の手札からモンスターカード1枚を墓地に捨てる。このターン戦闘によって破壊され自分の墓地へ送られたモンスター1体を、ターン終了時に手札に戻す。


古いサルベージカード。
『生還』だが、サルベージ効果。

・コストがモンスターのみに指定。
・戦闘破壊されたモンスターのみ回収可能。
・墓地に送られたモンスターのみ回収可能。
・発動ターン時のみ有効。
・ターン終了時に回収。
・手札に回収。
・1体のみ回収。
と、縛り付けがあまりにも多すぎている。
しかもそのどれもがデメリット(というか規制)でしかなく、非常に使い勝手が悪い。

手札コストがモンスターだけなので、結果として手札1枚と場の1枚を入れ替える形になる。
しかし『封魔の呪印』など、魔法カードに限定されているカードですら使い勝手が悪いというのに、モンスターカードにしか指定されていないのはつらい。
ただ、モンスターカードが手札で腐り、事故の要員となるケースがままあるのは事実だが。

戦闘破壊モンスターのみなので、『聖なるバリア―ミラーフォース』などで破壊された場合には意味がもい。もちろん生け贄やコストも回収不可。
また墓地から回収するため、『聖騎士イシュザーク』などに破壊された場合にも無意味。
『マクロコスモス』などでも同様である。

また都合の悪いことに発動ターンのみの効果となっている。
よって、守備表示で場に存在するモンスターはどうあっても回収できず、『収縮』などを喰らわなければ自分ターンで戦闘破壊されることなどほぼありえない。
自爆特攻するか、せいぜい『バトルマニア』などを使われた場合くらいである。
相手ターンにまで効果が残るならば多少はまだマシだったのだが。

さらに通常魔法の特権である速効性もほぼゼロである。
効果発動タイミングがターン終了時というのはあまりにも遅すぎる。
せっかくモンスターを手札に戻しても、またそれを即座に召喚することができない。
このカードで戻すべきモンスターは予想外に迎え撃たれたものであるはずなので、すなわち本来は勝っていた、それだけのステータスを有しているカード。それは場に存在することに意味があり、回収直後にすぐ展開できないのならばその脅威はないも同然。
1ターン経てば使用可能だが、その1ターン、そのモンスターは場にいない。

複数体を戻すこともできない。
よって、このカードを発動すれば、
(手札コスト+『死者の生還』):(回収カード)=2:1
となり、どうあっても損をすることになる。
そして損をしてでも戻したとして、ボードアドバンテージは回復しない。

唯一の救いはメインフェイズ2で使えることくらいだろうか。
というか、メインフェイズ1で使うカードだとしたら存在意義すら不明である。
そんなに予防線が要るだろうか。

『死者の生還』の割に『生還(=蘇生)』ではなく『回収』である。
せっかく遊戯王らしいカード名なのに台無しである。
もっとも、『戦士の生還』も回収なのだが。

もしも今この名前でカードが作られていたらどんなことになるか……
想像しただけでもおぞましい。
一体どんな凶悪カードになっていたことだろう。

イラストでは、一度倒れたような無気力(?)の男性(『死者』か)に魂が宿っている。
いや、体から魂が出てきているところだろうか。
それとも、この光は『死者』を『生還』させるためのナビゲーターか。
概念的には『リターンソウル』に近い。

いろいろと書いてはみたものの、今回の考察を一行でまとめるとこうなる。

【このカードは、『死者転生』の完全下位互換です】